バンダイナムコの株主総会に行ってきました(2019年版)

今年も恒例のバンダイナムコホールディングス株主総会に行ってきました。
2018年度は前年度に引き続き過去最高益を更新し、和やかなムードで行われました。

開催情報

日時:2019年6月24日(月曜日)10:00~11:50位
場所:グランドプリンスホテル新高輪「飛天」
最寄:品川駅

展示

ガンダム40周年クロスオーバーイラスト


つい三日月に気を取られてしまいましたが、武器に映り込みしているのが刹那・F・セイエイさんです。


「アート・コレクション」

2016年度から採用された「500株以上持ってる株主限定の株主優待」。
今年が3回目です。

Aqoursはこれで2年生→3年生→1年生とコンプリート。
ガンダムもアムロ→シャア→ララァで一区切りといったところ。

なので、来年以降の要望を、総会が終わった後の取締役の方と
直接話せるコーナーで担当の取締役の方にお伝えしてきました。

取締役の方も一区切りついたのは認識されていて、来年度からの新展開を前向きに考えてくれているようだったので、楽しみにしています。
女性人気作品枠が実現すれば、企業にとってもファンにとってもよい流れになるかと思います。

株主総会

今年の事業報告声優さんは!

例年通り田口社長からの挨拶で総会スタート。

そして毎年注目の事業報告映像に。
この映像には例年バンナム作品に縁のある声優さんが起用されています。

一昨年・昨年とAqours2年生で来ていたので、今年は逢田梨香子さん(桜内梨子役)かと予想していましたが、今年はガンダム40周年を記念して古谷徹さんでした!

ガンダムの「アムロ・レイ」はもちろん、昨年度はコナンの「安室透」で盛り上がったので、まさに今しかないというタイミングでした。
個人的にはこの事業報告で男性声優さんの声を聞いたのは初めてで、合併してバンナムになってからは初めてかもしれません。

【近年の事業報告声優さん(敬称略)】
2008年:三石琴乃(セーラームーン・エヴァのミサトさん)
2009年:潘恵子(聖闘士星矢の沙織さん・ガンダムのララァ)
2010年:小山茉美(ガンダムのキシリア・ミンキーモモ・アラレちゃん)
2011年:遠藤綾(マクロスFのシェリル)
2012年:坂本真綾(エヴァのマリ・コードギアス亡国のアキトのレイラ)
2013年:藤村歩(ガンダムUCのミネバ様)
2014年:桑島法子(ハートキャッチプリキュア!のキュアサンシャイン)
2015年:潘めぐみ(ハピネスチャージプリキュア!のキュアプリンセス)
2016年:寺崎裕香(鉄血のオルフェンズのクーデリア・藍那・バーンスタイン)
2017年:伊波杏樹(ラブライブ!サンシャイン!!の高海千歌)
2018年:斉藤朱夏(ラブライブ!サンシャイン!!の渡辺曜)
2019年:古谷徹(ガンダムのアムロ・レイ)

こうして見てみると、2008年の三石琴乃さんと今年の古谷徹さんでセーラームーンみを感じますね。

質疑応答

全文は誰かがきっと起こしてくれているので
個人的に気になったものだけ。
近年は質問数を減らしているようです。

アケマスからのPですが、765PRO ALLSTARSのみのドームライブは実現しますか?

よく大学教授は 「素人質問で恐縮ですが」と謙虚な前置きから入りますが、バンナム株主総会では「やーやー我こそは」から入るのが通例です。
担当取締役の方からの回答としては、「明言はできないが、ファンの声援をもとにやってきたいので、今後も応援してくれれば」とのこと。

『ラブライブ!サンシャイン!!』の5thライブ・ランティス祭りに参加したが、知り合った高校生から価格が高いという話を聞いた。若年層をキャッチアップしていく施策としてライブビューイングだけでも学割を導入できないか

公式回答としては「仕組みづくりが必要なのでご意見として受け止めます」的なものでしたが、個人的にはよさそうな気がしますね。現場はともかく、もともと学生割引のある映画館なら。

IP別売上でスーパー戦隊が落ち込んでるのは?

『ルパパト』の苦戦は聞いていましたが、それだけではなかったようで「海外のPower Rangersの契約切れ」が大きいとのこと。

今後のVR展開は?

「5Gで新しい世界を見せてやるぜ」(超意訳)とのこと。楽しみ。
それと来月池袋にオープンするVR施設「MAZARIA」に乞うご期待とのこと。

bandainamco-am.co.jp

ネットワークエンターテインメント事業は好調のはずなのになぜ減益?

これ気になってたので、聞いてくれてよかった。
「実態としては2017年度並だが、経理的なテクニックで売上の期間按分を行ったため」(ふんわりとした理解)とのこと。それならそうと事業報告に書くべきではと思った。

ランティス祭りの問題点とかどう認識してますか?

直前開催だったのでやっぱり出てきたランティス祭り関連。他にも質問が出てた。担当取締役の方も現地に行きつつTwitterも見ているとのことなので、改善に期待しましょう。

全体的に質疑応答では、リアルエンターテインメント事業を担当されている萩原さんの受け答えが、具体的かつ丁寧で素晴らしかったです。

総会アフター

株主総会後の上映会

ガンダムシリーズのオープニング映像集とのこと。
私は↓のコーナーに行っていたので見れませんでした。

取締役のみなさんと語ろうコーナー

個人的にバンダイナムコ株主総会の最大のイベント
「取締役の方々と直接話せるタイム」です。
パネルとかの展示があるコーナーに普通にいらっしゃるので普通に話せます。

横に記録する担当さんもついていて、ちゃんと話せば伝わるし残ります。
公式に推しをプレゼンする貴重なチャンスです。

↓結果はTwitterに



シュテルンビルト市民が次々サンライズの社長さんに凸っていて楽しかったです。おそらく熱意と期待は伝わったかと。

お土産


さいごに

今年も楽しい総会でした。
来年もまたぜひ休みを取って参加したいです。

【コミケカタログで90年代のカップリングを調べてみた】最終回:1999年は恐怖の大王を封神台ヘ!

コミケカタログのサークルカットからカップリング表記を抜き出してカップリング表記の歴史を見ていこう的な記事、いよいよ最後の年1999年です。

前年の作品別ランキングでは、コミケ9連覇の絶対王者『SLAM DUNK』を新星『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』が豪快にブチ抜く大波乱がありましたが、この年はさらに世紀末に向けてyouはshockな展開が待ち受けていました。

1999年のコミケ

夏(C56)と冬(C57)の2回開催されました。

↓当時のコミケカタログ
 

C56の表紙は平野耕太さんですね。

 

この年からコミケカタログのROM版が発行されました。
DVDはまだ普及してないので、CD-ROMです。
うちにあるのはまだ読めます。

回数 季節 会場 日数 サークル 参加人数
C56 1999 東京ビッグサイト 3 35,000 400,000
C57 東京ビッグサイト 3 25,000 320,000

これまで冬コミは2日開催でしたが、この年は初の夏冬3日開催でした。
ただ、他のイベントとの被りで、冬は西館が使えなくなってます。
なのでサークル数としては2日開催とほぼ変わらない数となっています。

【目次】

1999年のカップリング表記

99-1:カップリング表記数

サークルカットに書かれた「カップリング表記の数」です。
いつも通り目視で数えています。

f:id:Tarte41:20190429212633j:plain

冬コミは参加数が約3分の2になっていることを考えると、綺麗な右肩上がりになっています。
バブルとまではいきませんが、高度表記成長時代と言えるでしょう。

もちろんその背景には会場の変更など「参加サークル数全体の増加」もありますので、次のコーナーで比率も合わせて見ていきます。

99-2:カップリング表記サークル数

棒グラフはカップリング表記を書いている「サークルの数」です。
折れ線グラフは「表記を書いてるサークル数/全サークル数」の値「表記サークル率」です。表記サークル率は概ね、「カップリング表記の普及率」と考えていいでしょう。

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表記サークル率を見ると、この5年間で20%→28%と大きく増加していることが分かります。実数ベースでもC56では約1万サークルがサークルカットにカップリング表記を書いているわけで、カップリング表記はかなり市民権を得てると思っていいでしょう。

99-3:記法別ランキング

カップリング表記の記法(書き方)別ランキングです。
記法の分類基準については↓の記事をご参照ください。
カップリング表記の基本 - あまあまくろにくる

順位 1999年夏 表記数 構成比 1999年冬 表記数 構成比
1 × 8,892 61.3% × 6,203 59.4%
2 2,071 14.3% 連結 1,493 14.3%
3 連結 1,742 12.0% 1,432 13.7%
4 911 6.3% 703 6.7%
5 303 2.1% 230 2.2%
6 167 1.2% 固有 117 1.1%
7 固有 162 1.1% 99 0.9%
8 47 0.3% 37 0.4%
9 43 0.3% 26 0.2%
10 28 0.2% 21 0.2%

「1990年代は×の時代」を象徴するかのように90年代最後の年も圧倒的に「×表記」が使われています。

その一方で注目したいのは、冬コミで連結表記(現在最も使われている記号を使わず名前を繋げる表記)が2位に来ていることです。まだまだ×表記とは大きく差が開いていますが、歴史的にはこのわずか3年後に下剋上が起こり、連結表記が×表記を抜いてトップに躍り出ます。この時点では革命前の準備段階といったところでしょうか。

99-4:作品別ランキング

順位 1999年夏 表記数 構成比 1999年冬 表記数 構成比
1 封神演義 622 4.3% 封神演義 526 5.0%
2 ガンダムW 602 4.2% アンジェリーク 343 3.3%
3 SLAM DUNK 587 4.0% V6 322 3.1%
4 V6 550 3.8% KOF 307 2.9%
5 アンジェリーク 526 3.6% 幻想水滸伝2 295 2.8%
6 SMAP 497 3.4% SMAP 290 2.8%
7 レツゴ 466 3.2% SLAM DUNK 271 2.6%
8 KOF 413 2.8% ガンダムW 269 2.6%
9 るろうに剣心 325 2.2% 名探偵コナン 256 2.5%
10 KinKi Kids 314 2.2% ONE PIECE 235 2.3%

※レツゴ:爆走兄弟レッツ&ゴー!!
※KOF:ザ・キング・オブ・ファイターズ

90年代最後の年を制したのは前回5位から急成長『封神演義』。夢の国を探す君の名をサークルカットに刻んできました。主に誰と誰の名前が刻まれてるのかは次のコーナーで見るとして、夏コミの申込みはアニメ放送(同年7月)前なのに一気に増えてきています。

それと『SLAM DUNK』と時期が被ったためにずっと2位だった『ガンダムW』はここでも僅差の2位と涙を飲んでいます。カップリング表記の歴史としても同人の歴史としてもかなり重要なポジションにある作品ですが、一度もトップを取れていないのは意外です。

突然の失速『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』

『封神演義』が大躍進した一方で1998年冬の覇者『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』はこの年大きく失速。あくまで推測ですが、カップリング表記の内容を見ても、1998年から始まった第三期MAX編でキャラクターを一新したことによる影響が大きそうです。この年は残念な結果ではありますが、それでもこの激戦の中、一開催でもトップを取ったのはすごいです。

見逃せない止まらない三次元アイドル

ランキングを大きなジャンルの括りで見てみると、
夏コミ:漫画×4/アイドル×3/ゲーム×2/アニメ×1
冬コミ:漫画×4/アイドル×2/ゲーム×3/アニメ×1
と、三次元アイドルの存在感が大きいのがこの年の特徴です。

デリケートなジャンルなので極力触れないようにしてきましたが、ここまで大きくなると言及しないわけにはいきません。しかも『V6』は冬コミで3位。あまり大きく扱われない現在からは想像できない状況ですね。

参考までに2018年冬コミのトップ10は
漫画×3/ゲーム×3/アニメ×3/一次創作×1
と、三次元アイドルの姿は全く見えません。

note.mu

19年後は3位『名探偵コナン』

先ほど言及した2018年冬コミのランキングと、1999年冬コミのランキングで唯一共通してる作品、それが『名探偵コナン』です。しかもその間ずっとランキングにいたわけではなく、20年近く経っての返り咲き。これは同人史上初めてのケースだと思います。まさにグレイテスト・ショーマン。ただ内訳はかなり違っていて、1999年は「平×新」、2018年は「赤安」が一番人気です。それと、この当時まだ安室さんはいませんので、RX-7受けの本はありません。

99-5:カップリング表記ランキング

ここは「カップリング表記」のランキングです。
「カップリング」のランキングではなく、「どんな表記を書いているか」に注目です。

C56(1999年夏)

順位 表記 表記数 構成比 作品
1 1×2 123 0.8% ガンダムW
2 京×庵 93 0.6% KOF
3 庵×京 91 0.6% KOF
4 楊×太 87 0.6% 封神演義
5 木×中 71 0.5% SMAP
6 2×1 67 0.5% ガンダムW
6 火村×アリス 67 0.5% 作家アリス
8 光×剛 66 0.5% KinKi Kids
9 青×室 62 0.4% 踊る大捜査線
10 征当 56 0.4% サムライトルーパー

なんと「1×2」の数字表記が最多。知らない人から見たら完全に暗号です。6位に「2×1」があったり、2位と3位が左右逆だったりと、左右の解釈が大きく分かれているのが興味深いです。配置上も忖度されていて、逆カプは離れて配置されていました。

C57(1999年冬)

順位 表記 表記数 構成比 作品
1 庵×京 68 0.7% KOF
2 京×庵 61 0.6% KOF
3 楊×太 58 0.6% 封神演義
4 1×2 56 0.6% ガンダムW
5 青×室 50 0.5% 踊る大捜査線
6 木×中 45 0.4% SMAP
7 W×V 36 0.3% トライガン
8 涼×啓 33 0.3% 頭文字D
8 光×剛 33 0.3% KinKi Kids
10 征当 30 0.3% サムライトルーパー

夏とは一転、『KOF』勢がワンツーフィニッシュ。全体的に数が減っているのは全体のサークル数が減っているためです。

ほぼ×表記の一色の中、唯一の連結表記「征当」が80年代の作品というのも面白いです。かなり先取りしています。

99-6:カップリングランキング

こちらは「カップリング」別のランキングです。

実在の人物(特に存命の方)のお名前については、念のため「姓名一文字ずつ」で記載しています。
例:跡部景吾 → [跡景]

C56(1999年夏)

順位 表記数 構成比 作品
1 流川楓 桜木花道 213 1.5% SLAM DUNK
2 ヒイロ デュオ 204 1.4% ガンダムW
3 [堂光] [堂剛] 203 1.4% KinKi Kids
4 [木拓] [中正] 161 1.1% SMAP
5 火村英生 有栖川有栖 153 1.1% 作家アリス
6 楊戩 太公望 137 0.9% 封神演義
7 八神庵 草薙京 121 0.8% KOF
8 草薙京 八神庵 116 0.8% KOF
9 デュオ ヒイロ 112 0.8% ガンダムW
10 青島俊作 室井慎次 107 0.7% 踊る大捜査線

夏のカップリングインターハイを制したのは『SLAM DUNK』の「流花」。作品別では首位を譲ったものの、まだまだ若いカップルには負けません。

それと正直なところ『作家アリス』の「火アリ」がここまで盛り上がっているのには驚きました。小説ジャンルで当時映像化もされていない作品で、ここまで人気になるのはかなりレアケースです。小説ジャンルについては↓の同人誌の方で特集してますのでよろしければこちらも。
COMIC ZIN 通信販売/商品詳細 カップリング表記データブック【極】

C57(1999年冬)

順位 表記数 構成比 作品
1 [堂光] [堂剛] 126 1.2% KinKi Kids
2 楊戩 太公望 105 1.0% 封神演義
3 青島俊作 室井慎次 102 1.0% 踊る大捜査線
4 流川楓 桜木花道 95 0.9% SLAM DUNK
5 八神庵 草薙京 90 0.9% KOF
6 [木拓] [中正] 86 0.8% SMAP
7 草薙京 八神庵 82 0.8% KOF
8 ウルフウッド ヴァッシュ 78 0.8% トライガン
9 ヒイロ デュオ 77 0.7% ガンダムW
10 火村英生 有栖川有栖 68 0.7% 作家アリス

冬コミは「きんきちほー」のふたりがトップ。他のグループと違って元々ニコイチなのも「選択と集中」面で強いです。気になるのは左右の比率がだいぶ偏ってることですが、このあたりは有識者に聞いてみたいところです。

それと6位にも同じ事務所の先輩ふたりが入っていて、当時のアイドル人気の強さを感じさせます。

それと『踊る』の「青室」が3位に浮上。よく見るとトップ3に二次元カップリングが1組しかありません。

99-7:1999年まとめ

・『封神演義』が夏冬連覇!
・×表記隆盛の裏に、連結表記の胎動
・三次元アイドル強い

完結までに平成が終わるギリギリまでかかってしまいましたが、なんとか90年代だけでも書ききれてよかったです。今回はライト版になってしまいましたが、作品別・表記別・カップリング別ともにまだまだ細かい点に言及したいところなので、それは改めてどこかで。

それと、今年の夏コミの新刊は『平成カップリング表記史(仮)』と題してカップリング表記の歴史を振り返る予定です。この連載で扱ってきた1990年代についても2000年代・2010年代へ繋がっていく流れも踏まえてまとめていきます。また、近々カップリング表記の意識調査的なアンケートを取ろうと思いますので、ご協力の方よろしくお願いいたします。

それではご読了ありがとうございました。

同人誌版

2000年以降や最新情報は『カップリング表記データブック』という
同人誌にまとまっていますので、よろしければこちらも。

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http://shop.comiczin.jp/products/list.php?category_id=5603

【2018年夏(C94)】カップリング表記ランキング(ライト版)

2018年夏コミの振り返り。
いつものカップリング表記ランキングの記事を今回はnoteに書いてみました。

note.mu

やはり「ヴィク勇」強し。
冬コミの調査は11月中旬から開始予定です。

バンダイナムコの株主総会に行ってきました(2018年版)

今年も無事にバンダイナムコホールディングスの株主総会に行ってきました。
2017年度は過去最高益を達成したこともあり、とてもよい雰囲気でした。

開催情報

日時:2018年6月18日(月曜日)10:00~12:40位
場所:グランドプリンスホテル新高輪「飛天」
最寄:品川駅

展示

入口からの螺旋通路展示

毎年恒例バンナム主要IPの紹介パネルですが・・・
今年はありませんでした。
ちょっと寂しい。

フォトコーナー

『ラブライブ!サンシャイン!!』と『プリキュアシリーズ』の2種類がありました。
『プリキュアシリーズ』は行列に負けて撮り損ねたのでAqoursだけで。

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推しユニット別撮影アイテム(プラカード)もありました↓
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Aqoursは
2016年:普通のパネル
2017年:等身大パネル
2018年:等身大パネル+撮影アイテム
と順調に出世してますね。

「アート・コレクション」

2016年度から採用された「500株以上持ってる株主限定の株主優待」。
なので今回が2回目。

『ラブライブ!サンシャイン!!』3年生

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『機動戦士ガンダム』シャア・アズナブル&シャアザク

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今年の様子を見ると、3月の優待もらえる権利確定前にテーマ(対象作品)が発表されるので、それを見てから株を買っても遅くないです。
来年の作品によっては株価が動くかも。

総会の質疑応答でこの優待についての提案をしようと思って最初から手を挙げてたんですが、今年も当たらず。
総会で質問する人が増えたのと、受け付ける質問数が減ったのもあってか、ここ3・4年くらい当たってない気がします。

その代わり、総会が終わった後の取締役の方と直接話せるコーナーで担当の取締役の方にお伝えしてきました。



ご検討・実現よろしくお願いいたします!

株主総会

今年の事業報告声優さんは!

例年通り田口社長からの挨拶で総会スタート。

そして毎年注目の事業報告映像に。
この映像には例年バンナム作品に縁のある声優さんが起用されています。

今年は『ラブライブ!サンシャイン!!』で渡辺曜役を演じた
斉藤朱夏さんでした!

昨年は同じAqoursメンバー、高海千歌役の伊波杏樹さんだったので2年連続。
ようちかバトンタッチ素晴らしいですね。
ヨーソロー!

以前はベテラン声優さんが多かったですが、近年は若手の方にシフトしていますね。
この勢いでアイマス声優さんもぜひお願いします。

【近年の事業報告声優さん(敬称略)】
2008年:三石琴乃(セーラームーン・エヴァのミサトさん)
2009年:潘恵子(聖闘士星矢の沙織さん・ガンダムのララァ)
2010年:小山茉美(ガンダムのキシリア・ミンキーモモ・アラレちゃん)
2011年:遠藤綾(マクロスFのシェリル)
2012年:坂本真綾(エヴァのマリ・コードギアス亡国のアキトのレイラ)
2013年:藤村歩(ガンダムUCのミネバ様)
2014年:桑島法子(ハートキャッチプリキュア!のキュアサンシャイン)
2015年:潘めぐみ(ハピネスチャージプリキュア!のキュアプリンセス)
2016年:寺崎裕香(鉄血のオルフェンズのクーデリア・藍那・バーンスタイン)
2017年:伊波杏樹(ラブライブ!サンシャイン!!の高海千歌)
2018年:斉藤朱夏(ラブライブ!サンシャイン!!の渡辺曜)

質疑応答

全文は誰かがきっと起こしてくれているので
個人的に気になったものだけ。

株主出席票でナンジャタウンやVR施設にも行けるように


株主総会のお土産の話です。
花やしきのパスポートがついているのですが、2012年以前はナンジャタウンのパスポートでした。
この提案には拍手が起こってましたね。私もぶんぶん頷いていました。

新中期計画の目標が営業利益750億になってるけど、もう昨年度達してるんだが

過去最高益だった昨年度を基準にして計画を目標を設定すると、目先の利益達成に手一杯となり、新技術・新IPなどへの投資に手が回らなくなるおそれがあるのでとのこと。
この考えは素晴らしいと思います。近年、いろんな企業や研究所がなかなか新技術への投資に注力できてないので、経営が順調な今こそガンガン投資していってほしい。

それにソシャゲメインの利益は水物と考えたほうが健全だと思います。

近年大手法人株主の圧力で株主優待を廃止する企業が増えているがバンナムは

株主優待は基本自社サービス品で、株主にも触れてほしいので今後も継続していきたいとのこと。
アートコレクションの増強もよしなに。

これからのenza展開

昨年の株主総会でスマフォアプリからHTML5への移行の話がでましたが、今年ドリコムとの協業でブラウザゲープラットフォーム「enza」がスタートしました。
DeNA(モバゲー)やApple(iOS)、Google(Android)に中抜きされない健全なプラットフォームとして期待されています。
第一弾として『シャニマス』がリリースされて今後の展開が気になるところ。

今日の総会でも関連質問が出ていて、タイトルは言えないけど既存スマフォアプリのenza化も計画しているとのことでした。
先日『アイドルマスターミリオンライブ!』をサービス終了してGREEの呪縛から逃れたのも象徴的で、この流れは今後加速していくと思われます。

総会アフター

株主総会後の上映会

各作品のOP映像・新作PVが流れた模様。
取締役の方々との会話を優先していたので見れませんでしたが、信頼筋から「オリオンをなぞる」が流れたとは聞きました。

取締役のみなさんと語ろうコーナー

個人的にバンダイナムコ株主総会の最大のイベント
「取締役の方々と直接話せるタイム」です。
パネルとかの展示があるコーナーに普通にいらっしゃるので普通に話せます。

横に記録する担当さんもついていて、ちゃんと言えば伝わるし残ります。
控えめに言って315です。

↓結果はTwitterに





とりあえず意見を言ってみるのはプライスレスなので、希望を伝えるだけお伝えしてきました。
いろんな個別作品の話とかこれからの展望もフランクに聞けますし、株主総会でこの時間が一番楽しいです。
(もちろん箝口令の敷かれているタイプの未発表情報はご解答頂けないです)

【2017年冬(C93)】カップリング表記ランキング(速報版)

夏冬恒例、もうすぐ開催される冬コミ(C93)のカップリング表記ランキングを出してみました。普段はコミケの新刊に載せてますが、今回は参加してないのでここに。
いつも通り、コミケカタログのサークルカット(32,214枚)から目視でカップリング表記を抜き出して集計しています。
今回は調査にだいたい120時間くらいかかっています。

【目次】

作品別表記数ランキング

まだ暫定値ですが、C93はカップリング表記が12,583表記ありました。
まずは作品別に見ていきます。

TOP10

順位 作品名 表記数 構成比 増減 前回順位
1 刀剣乱舞 996 7.9% -303 1 
2 ユーリ!!! on ICE 539 4.3% -82 2 
3 Fate/Grand Order 515 4.1% 289 10↑
4 おそ松さん 416 3.3% 4 4 
5 ハイキュー!! 383 3.0% -74 3↓
6 黒子のバスケ 356 2.8% -7 5↓
7 TIGER&BUNNY 230 1.8% -29 7 
8 名探偵コナン 209 1.7% 7 12↑
9 進撃の巨人 194 1.5% -62 8↓
10 弱虫ペダル 181 1.4% -91 6↓

注目はなんと言っても「刀剣乱舞5連覇!」です。2015年の冬コミ以降、圧倒的大差で首位を独走しています。ただ今年に入って急激に数が減っているのは気になるところです。1月からの花丸2期を踏まえて来年の夏はどうなるか。

前回初登場で2位だった『ユーリ!!! on ICE(YOI)』が今回も2位をキープ。1クールアニメでこの人気は歴史的にもかなりレアケースだと思います。あととりあえずカップリング人気の偏りがすごいです。詳しくはのちほど。

そして今回大注目なのが『Fate/Grand Order(FGO)』。ジャンルとしては「TYPE-MOON」に括られてはいますが、今回約500サークル増と完全にブレイクしています。歴史的にカップリング表記があまり多くないジャンルでしたが、ここにきて約300表記増とかなり表記数も伸びてきました。このあたりの詳しい話はこの記事の最後に書いてある「FGO評論同人誌」の方で語っていますのでよろしくお願いします。

と、一旦無難にまとめてみましたが、プレイしてる方はご存知の通り、『FGO』は1キャラに対して「クラス名」「真名」「愛称」などなど呼び方は多いわ、別属性のキャラまで出てくるわ、ただの「ぐだ」だと性別が分からないわでカップリング表記が絶賛大混乱中です。まだ日が浅いせいか、表記の統一感/Zeroですね。そしてそんなケイオスな状態から色々と面白い表記も生まれてきています。詳しくは「FGO評論同人誌(略。

直近5年の推移

今回上位作品を中心にここ5年間の表記数をグラフにしてみました。
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ここ数年の流れとして、2015年に『刀剣乱舞』が現れるまでは、『黒バス』『ハイキュー!!』『弱ペダ』といった高校生スポーツ漫画に人気が集まっていました。
これが『刀剣乱舞』以降、アニメの『おそ松さん』『YOI』にゲームの『FGO』と、まるっと傾向が変わってきています。
しかも今年になってその差がぐぐっと詰まってきて、グラフがとても見づらくなってきました。まさに群雄割拠ですね。雄が群れると書いて群雄。

11-30位

参考までに11位以降も少し。

順位 作品名 表記数 構成比 増減 前回順位
11 あんさんぶるスターズ! 178 1.4% -72 9↓
12 オリジナル(一次創作) 176 1.4% 34 17↑
13 艦隊これくしょん 171 1.4% -39 11↓
14 Free! 168 1.3% 29 20↑
15 ヘタリア 162 1.3% -23 14↓
16 アイドルマスターシンデレラガールズ 155 1.2% 16 21↑
17 血界戦線 149 1.2% 9 19↑
  僕のヒーローアカデミア 149 1.2% 30 22↑
19 ワールドトリガー 129 1.0% -60 13↓
20 アイドリッシュセブン 121 1.0% -28 15↓
  ラブライブ!サンシャイン!! 121 1.0% 30 34↑
  東方Project 121 1.0% 10 25↑
順位 作品名 表記数 構成比 増減 前回順位
23 銀魂 117 0.9% -24 18↓
24 鉄血のオルフェンズ 108 0.9% 12 32↑
25 A3! 105 0.8% 95 159↑
26 Fate/stay night 102 0.8% -9 23↓
27 ラブライブ! 97 0.8% 8 35↑
28 グランブルーファンタジー 96 0.8% 4 33↑
29 鬼灯の冷徹 93 0.7% 33 39↑
30 NARUTO 88 0.7% -8 31↑

近年はオリジナル作品でも積極的にカップリング表記が書かれるようになってきました。「おねショタ」「おにショタ」あたりをカップリング表記とみなすかは人それぞれだと思いますが、「生徒×先生」や「ヤクザ×リーマン」などオリジナル作品はキャラ名でなく属性で表記を書かざるをえないので、ここではカップリング表記とカウントしています。

興味深いのは『ラブライブ!』から『ラブライブ!サンシャイン!!』への移行が行われつつも『ラブライブ!』自体の表記数も伸びているところです。相乗効果でしょうか。2期最終回楽しみです。

作品別表記増加数ランキング

ここでは表記の増加数に注目したランキングを出してみました。
この冬、勢いのある作品です。

TOP10

順位 作品名 C92 C93 増加数
1 Fate/Grand Order 226 515 289
2 A3! 10 105 95
3 アイドルマスターSideM 27 75 48
4 ドラゴンクエスト11 39 39
5 オリジナル 142 176 34
6 鬼灯の冷徹 60 93 33
7 けものフレンズ 2 32 30
  ラブライブ!サンシャイン!! 91 121 30
  僕のヒーローアカデミア 119 149 30
10 Free! 139 168 29

ぶるぶるぶるーみんぐ!(A3!の挨拶)
FGOは上で語ったのでおいておくとして、『A3!』の勢いがすごいですね。この冬一気に開花しました。『A3!』は第一部まで完結してるんですが、かなりストーリーがよくキャラクター間の絆もしっかり描かれているので、これからも楽しみな作品となっています。個人的にはヒロインが学生でなく、わりとしっかり目の社会人(風)なのが好印象です。推しは左京さんとたるちです。

あとは今まさに315のアニメが放送中の『アイドルマスターSideM』。一番人気はBeitの「恭みの」です。今回の冬コミは申込みがアニメ前だったので、アニメでフィーチャーされたドラスタやHigh×Joker、そしてJupiterの天ヶ瀬冬馬とドラスタの天道輝のWセンターなどなど夏にどれだけ増えてくるか楽しみです。

ドラクエ11はカミュ主と主カミュ。

11-20位

順位 作品名 C92 C93 増加数
11 キラキラ☆プリキュアアラモード 1 21 20
12 BanG Dream! 19 19
  ゴールデンカムイ 9 28 19
  宇宙戦隊キュウレンジャー 19 19
  仮面ライダーエグゼイド 14 33 19
16 アイドルマスターシンデレラガールズ 139 155 16
17 ファイナルファンタジー15 68 82 14
18 文豪とアルケミスト 29 42 13
19 Fate/Zero 36 48 12
  コードギアス 38 50 12
  鉄血のオルフェンズ 96 108 12

毎年恒例、新しいプリキュアと新しい戦隊と新しいライダーが増えてます。
異色なのは『ゴールデンカムイ』でしょうか。4月からアニメが開始するので来年の冬コミに注目です。あと今回『文豪ストレイドッグス』(34表記)とのBunGO対決を制した『文豪とアルケミスト』もじわじわ来てます。
そして今増える『コードギアス』。

カップリング表記ランキング

「カップリング表記」のランキングです。「カップリング」のランキングではありません。
どう書かれてるかに注目です。

TOP10

順位 表記 表記数 構成比 作品名
1 ヴィク勇 274 2.2% YOI
2 兎虎 76 0.6% タイバニ
3 勇ヴィク 54 0.4% YOI
4 一カラ 51 0.4% おそ松さん
5 赤安 49 0.4% コナン
6 みかつる 45 0.4% 刀剣乱舞
7 エルリ 40 0.3% 進撃の巨人
8 ヴィクトル×勇利 37 0.3% YOI
9 カラ一 34 0.3% おそ松さん
10 おそチョロ 33 0.3% おそ松さん

「ヴィク勇」。以上!

2位と200表記差とか異常事態ですね。さすがHistory makerです。今まさに歴史作ってます。見ての通り現在のカップリング表記の主流は名前を省略して繋げる「連結表記」なのですが、ヴィク勇はあまりに物量が多すぎて「×表記」もTOP10に入ってくるという恐ろしさです。

余談ですが、うちのキーボードは調査中あまりに「ヴィク勇」を打ちすぎたせいで、「v」って入れるだけで「ヴィク勇」って変換されるようになりました。ちょっと意味が分からない量ありますね。(もちろんいい意味で)

そして本放送から6年以上経つにも関わらず、これだけ愛され続ける「兎虎」もすごいです。

11-20位

順位 表記 表記数 構成比 作品名
11 まこはる 31 0.2% Free!
12 オタユリ 29 0.2% YOI
13 リヴァエレ 28 0.2% 進撃の巨人
14 スティレオ 27 0.2% 血界戦線
  みかんば 27 0.2% 刀剣乱舞
16 つるいち 26 0.2% 刀剣乱舞
17 岩及 24 0.2% ハイキュー!!
  白鬼 24 0.2% 鬼灯の冷徹
19 黄黒 23 0.2% 黒バス
  クラステ 23 0.2% 血界戦線
  轟出 23 0.2% ヒロアカ
  ユリ勇 23 0.2% YOI

作品別では5位の『ハイキュー!!』がここで初めて登場。かなり表記が分散していることが分かります。ただ、『ハイキュー!!』ジャンルはかなり参加者の練度が高く、同じカップリングなら表記をかなり揃えてきている(例えば岩泉×及川なら8割以上が「岩及」)ので、表記のブレというよりカップリング人気自体が分散していると考えられます。毎回ブロックを3枚合わせてくるイメージですね。強いです。

カップリングランキング

こちらは様々な「カップリング表記」を「カップリング」単位に集計したランキングです。
純粋にカップリング人気を見る場合はこちら。不純に見る場合もこちら。

TOP10

順位 左側 右側 表記数 構成比 作品名
1 ヴィクトル 勝生勇利 348 2.8% YOI
2 バーナビー 虎徹さん 135 1.1% タイバニ
3 勝生勇利 ヴィクトル 75 0.6% YOI
4 赤井秀一 安室透 65 0.5% コナン
5 一松 カラ松 64 0.5% おそ松さん
6 エルヴィン リヴァイ 63 0.5% 進撃の巨人
7 カラ松 一松 55 0.4% おそ松さん
8 三日月宗近 鶴丸国永 52 0.4% 刀剣乱舞
9 リヴァイ エレン 50 0.4% 進撃の巨人
10 橘真琴 七瀬遙 43 0.3% Free!

はい「ヴィク勇」!解散!

圧倒的ですね。350近いですが、これヴィク勇クラスタの方はどれだけ買えばいいんでしょうか。凄まじい物量です。単独ジャンルのYOI島だけでなく、他のジャンルのサークルさんにも18表記あったので、どういうルートで回るかが鍵になりそうです。

そして同じ一途組の兎虎さんは、昨年まで8連覇以上してる厚い実績と信頼を感じる安定感。今回もトップは譲ったものの3桁表記で2位をキープ。『タイバニ』は全体で230表記なはずですが、そのうち135表記(約6割)を占めてるとか流石ですね。

そして赤安。「沖安」とは区別している空気を感じたので、「赤井秀一×安室透」と「沖矢昴×安室透」は別集計です。「赤井秀一×降谷零」「ライ×バーボン」も同様です。そのあたりを合算すると3位の勇ヴィクに並ぶかんじですね。集計難しい!

11-20位

順位 左側 右側 表記数 構成比 作品名
11 おそ松 チョロ松 39 0.3% おそ松さん
12 三日月宗近 山姥切国広 35 0.3% 刀剣乱舞
13 白澤 鬼灯 33 0.3% 鬼灯の冷徹
  エレン リヴァイ 33 0.3% 進撃の巨人
  オタベック ユリオ 33 0.3% YOI
16 鶴丸国永 一期一振 32 0.3% 刀剣乱舞
17 枢木スザク ルルーシュ 31 0.3% コードギアス
  スティーブン レオナルド 31 0.3% 血界戦線
  虎徹さん バーナビー 31 0.3% タイバニ
  黄瀬涼太 黒子テツヤ 31 0.3% 黒バス

ここも見どころが多いのですが、気になるのは「スザルル」です。このランキングで見るのは何年ぶりでしょうか。来年も映画が2作控えているので動向に注目です。

この攻めがすごい!

恒例、攻めキャラ別のランキングです。その攻めキャラの一番多い相手(受け)とその割合も出しています。

順位 攻めキャラ 表記数 最多相手 構成比
1 ヴィクトル 359 勝生勇利 97%
2 バーナビー 139 虎徹さん 97%
3 三日月宗近 132 鶴丸国永 39%
4 カラ松 105 一松 52%
5 一松 96 カラ松 67%
6 鶴丸国永 90 一期一振 36%
  燭台切光忠 90 へし切長谷部 31%
8 赤井秀一 87 安室透 75%
9 勝生勇利 82 ヴィクトル 91%
10 おそ松 78 チョロ松 50%

ショート攻めプログラム1位、ヴィクトルさんの気になるお相手は・・・!もちろん勝生勇利さんなんですけど、これがヴィクトル攻めの97%が勇利受けという圧倒的一途さです。素晴らしい。浮気したら刺される勢いを感じます。

そして2位のバーナビーさんも例年大安定の虎徹さん97%濃縮還元です。浮気したらハンドレッドに蹴られます。

ここまで一途路線で来て、突然39%とガクッと下がるのが三日月おじいちゃんです。気が多すぎますね。普通にみんなに刺されそうです。

同じ人気のある攻めでも色んなタイプがいますね!(ふわっとしたまとめ)

この受けがすごい!

こちらも恒例、受けキャラ別のランキングです。一番多い相手(攻め)と、その割合も出してます。

順位 受けキャラ 表記数 最多相手 構成比
1 勝生勇利 388 ヴィクトル 90%
2 虎徹さん 152 バーナビー 89%
3 黒子テツヤ 133 黄瀬涼太 23%
4 カラ松 107 一松 60%
5 鶴丸国永 103 三日月宗近 50%
6 リヴァイ 97 エルヴィン 65%
7 一松 95 カラ松 58%
8 山姥切国広 93 三日月宗近 38%
9 ヴィクトル 80 勝生勇利 94%
10 ぐだ子 79 ロマニ 13%

受け人気1位は勝生勇利選手!最多相手はもちろんヴィクトルですが、ユリ勇やピチ勇などもありヴィクトル攻めに比べて若干構成比は下がっています。それでも9割は圧巻。

それと対照的なのは3位の黒子受けです。最多相手の黄瀬でもわずか23%と多方面から愛されまくりで「総受けキング」の名をほしいままにしています。まさに「キセキの受け」と言えるでしょう。

そしてさらにその上をいく「総受けクイーン」が『FGO』の女性主人公「ぐだ子」です。最多相手のロマンでもわずか13%。調べてみたところ、攻めに指定されているキャラクターは総勢34人でした。逆ハーレムすぎますね。愛されてます。あと相手はマシュとかきよひーもいるので全員男子ではありません。念のため。もちろんアストルフォもいます。

ハロウィンイベントでは新アサが大きく株を上げたと思うので、今後のイベントや第2部の展開も含めてこれからも動向が楽しみです。あとカップリング表記を書く時は「ぐだ男」「ぐだ子」もしくは「ぐだ♂」「ぐだ♀」の記載をして頂けると大変助かります。よしなに。

モブ人気ランキング

最後にちょっとおまけで、いわゆるモブ(おじさんかどうかは問わない)に人気のキャラクターランキングを出してみました。もちろん『モブサイコ100』の茂夫くんは対象外です。

順位 受けキャラ 表記数 作品名
1 ジョーカー(主人公) 4 ペルソナ5
2 黛千尋 3 黒子のバスケ
3 枢木スザク 3 コードギアス
4 虎徹さん 2 タイバニ
5 [該当者多数] 1  

完全に予想外のダークホース、ペルソナ5の主人公がトップ!ペルソナ5はやってないので分からないのですが、この主人公はそんなにモブ映えするキャラなんでしょうか。情報お待ちしております。

そして夏コミまではみんなの虎徹さんがトップでしたが、原作完結から時間の経った今になって黛くんとスザクの身に一体何があったのでしょうか。情報は募集してません。

それと本当に余談なんですが、「モブ宗」って表記が『Free!』の山崎宗介と『あんスタ』の斎宮宗で被ってるのが面白かったです。(「もぶそう」と「もぶしゅう」で読みが違う)

2017年冬コミ(C93)まとめ

・『刀剣乱舞』5連覇!
・『FGO』快進撃!
・「ヴィク勇」の数がおかしい

個別作品の分析はまた別の記事で。
冬コミ楽しみですね!

C93宣伝

サークル「N能研全国1位」さんのFGO評論同人誌「マスターズ・デイズ〜〇〇から見たFGO〜」にインタビューで参加しています。「コミケとカップリング表記とFGO」をテーマに、グラフやデータを並べてわりとガチ目に語っていますので、よろしければ。
冬コミ1日目:東D37a 「N能研全国1位」
コミケWebカタログ(N能研全国1位)
■ブログ記事■
ao8l22.hatenablog.com

同人誌紹介

これまで調べたカップリング表記情報は『カップリング表記データブック』という同人誌にまとまっていますので、よろしければこちらも。
◆COMIC ZINさんに委託中です◆
http://shop.comiczin.jp/products/list.php?category_id=5603

【コミケカタログで90年代のカップリングを調べてみた】第十回:タイタニックへLet's&Goする1998年

コミケカタログのサークルカットからカップリング表記を抜き出してカップリング表記の歴史を見ていこう的な記事、第10回です。

これまで見てきた通り、1990年代の中頃からは『SLAM DUNK』がカップリング表記界を牽引してきたわけですが、その連勝街道がストップしたのがこの1998年です。

まずは1998年の時代背景を押さえつつ、カップリング表記データを見ていきたいと思います。

【目次】

1998年に盛り上がったもの

映画

・前年『タイタニック』 →前年12月公開この年大ブーム
・ 5月『ディープ・インパクト』 →『アルマゲドン』じゃない方
・ 7月『ポケモン ミュウツーの逆襲』 →超名作
・10月『踊る大捜査線 THE MOVIE』 →レインボーブリッジが封鎖されない方

タイタニック 3D・2Dブルーレイ スペシャル・エディション(4枚組) [Blu-ray]

タイタニック 3D・2Dブルーレイ スペシャル・エディション(4枚組) [Blu-ray]

踊る大捜査線 THE MOVIE [DVD]

踊る大捜査線 THE MOVIE [DVD]

観客動員700万人・興行収入101億円の大記録で『踊る大捜査線』の人気を決定づけた映画。
コミケでも翌年の1999年からサークル数・カップリング表記数ともに急増しました。

ドラマ

・ 4月『ショムニ』 →本丸庶務課第二部隊
・ 7月『GTO』 →ポイズン反町(最高視聴率:35.7%)
・10月『眠れる森』 →キムタク案件

GTO DVD-BOX

GTO DVD-BOX

『ショムニ』『GTO』と漫画原作ドラマが大ヒットした貴重な年です。

音楽

・ 1月『夜空ノムコウ(SMAP)』
・ 2月『my graduation(SPEED)』
・ 4月『誘惑(GLAY)』
・ 4月『タイミング(ブラックビスケッツ)』
・ 5月『B'z The Best"Pleasure"(B'z)』

誘惑

誘惑

1998年オリコンシングルランキング1位。
GLAYサークルはこの年から急増。
そして伝説となった翌年の20万人ライブへと続きます。

B’z The Best“Pleasure”

B’z The Best“Pleasure”

  • アーティスト: B’z,稲葉浩志,松本孝弘,明石昌夫,徳永暁人,池田大介
  • 出版社/メーカー: Rooms Records
  • 発売日: 1998/05/20
  • メディア: CD
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B'z初のオフィシャルベストアルバム。
14曲中9曲がミリオンシングルという意味の分からないキングオブベストアルバム。
累計500万枚以上の歴史的ヒットを記録しました。
個人的にはあの前奏が長い『LOVE PHANTOM』を一曲目に持ってくるセンスが素晴らしいと思います。

この影響か、コミケでも翌年の1999年夏コミでサークル数が増加しています。

漫画

・ 2月『ROOKIES』連載開始
・ 3月『ホイッスル!』連載開始
・ 3月『HUNTER×HUNTER』連載開始
・ 7月『シャーマンキング』連載開始
・11月『ラブひな』連載開始
・12月『ライジングインパクト』連載開始

HUNTER×HUNTER モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

HUNTER×HUNTER モノクロ版 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)

前年『週刊少年マガジン』に発行部数を抜かれた『週刊少年ジャンプ』が
巻き返しを図ってきていますが、前述のドラマ版『GTO』がヒットした背景もあり
発行部数ではマガジンが上回る結果となっています。
一方でマガジン作品はコミケではそれほど盛り上がらず
この年の最多表記作品は『Harlem Beat』の29位となっています。

アニメ

・ 1月『爆走兄弟レッツ&ゴー!! MAX』
・ 4月『カウボーイビバップ』
・ 4月『遊戯王』(東映動画版)
・ 4月『カードキャプターさくら』
・ 4月『ブレンパワード』
・ 4月『ヴァイスクロイツ』
・ 4月『頭文字D』
・10月『彼氏彼女の事情』
・10月『魔術士オーフェン』
・11月『超速スピナー』

頭文字D?D・セレクション?

頭文字D?D・セレクション?

  • アーティスト: デイヴ・ロジャース,エド・ボーイズ,ジリー,レスリー・パリッシュ,マン・パワー,ルー・グラント
  • 出版社/メーカー: エイベックス・トラックス
  • 発売日: 1998/07/29
  • メディア: CD
  • クリック: 10回
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春アニメのラインナップが豪華。
特に『頭文字D』は翌年にコミケでも大ブレイクすることになります。

ゲーム

・ 2月『ゼノギアス』(PS)
・ 4月『サクラ大戦2』(SS)
・ 5月『GUILTY GEAR』(PS)
・ 6月『東京魔人學園剣風帖』(PS)
・ 7月『スターオーシャンセカンドストーリー』(PS)
・ 9月『メタルギアソリッド』(PS)
・ 9月『Pop'n music』(AC)
・11月『ゼルダの伝説 時のオカリナ』(64)
・12月『幻想水滸伝Ⅱ』(PS)

東京魔人學園剣風帖

東京魔人學園剣風帖

前年の『FF7』『みんなのGOLF』などで一気に普及したPlayStationから名作が多数登場。
『メタルギアソリッド』も『GUILTY GEAR』もまだ初代です。
『東京魔人學園剣風帖』は少し遅れて人気が出たタイプで
コミケでは2000年以降にカップリング表記が多く見られるようになります。

『サクラ大戦2』はある種の節目で、月組の加山雄一が初登場した影響で、
主人公絡みのBLカップリングも発生するようになりました。

幻想水滸伝2

幻想水滸伝2

『幻想水滸伝』はこのⅡのブレイクで、人気がⅠにも波及しました。

その強さがあれば、全てを守れると思った (幻想水滸伝Ⅱ)

何度見ても最高のキャッチコピーですね。
死ぬまでにもう一回プレイしたいゲームです。

他にも『オラタン』や『DDR』などアーケードも元気な時代でした。

1998年のコミケ

夏(C54)と冬(C55)の2回開催されました。

↓当時のコミケカタログ
 

回数 季節 会場 日数 サークル 参加人数
C54 1998 東京ビッグサイト 3 33,000 380,000
C55   東京ビッグサイト 2 23,000 300,000

この頃は夏3日冬2日開催でした。

ジャンルコードとしてはこの年から「ゲーム(格闘)」から「SNK(格闘)」が分離
「ゲーム(RPG)」から「スクウェア(RPG)」が分離しています。
前述のプレステ人気もあって、同人界隈でもゲームの存在感が増してきている時期です。
f:id:Tarte41:20170828231049j:plain

ゲームジャンルが全体の4分の1まで来てますね(カップリング表記数ベースで)。
そして3位がアニメじゃなくてアイドルなのが時代を感じさせます。

1998年のカップリング表記

98-1:カップリング表記数

サークルカットに書かれたカップリング表記の数です。
いつも通り目視で数えています。

f:id:Tarte41:20170828232307j:plain

完全に右肩上がりですね。
カップリング表記が大きく普及している時期です。

98-2:カップリング表記サークル数

続いてカップリング表記を書いているサークルの数です。
f:id:Tarte41:20170828234259j:plain
前年は微妙に減っていたカップリング表記サークル率ですが
ここで一気に上昇して27%台に。
C54では全体の27.5%にあたる9,000サークル以上がカップリング表記を書いていました。

98-3:記法別ランキング

カップリング表記の記法(書き方)別のランキングです。
記法の分類については↓の記事をご参照ください。
カップリング表記の基本 - あまあまくろにくる

順位 1998夏 表記数 構成比 1998冬 表記数 構成比
1 × 8,015 61.5% × 5,597 61.0%
2 1,901 14.6% 1,330 14.5%
3 連結 1,496 11.5% 連結 1,077 11.7%
4 789 6.1% 595 6.5%
5 290 2.2% 199 2.2%
6 187 1.4% 118 1.3%
7 固有 153 1.2% 固有 102 1.1%
8 46 0.4% 28 0.3%
9 23 0.2% 26 0.3%
10 22 0.2% 20 0.2%

表記の歴史上、この1998年が×表記の最盛期です。

そしてこの年一番多かった×表記が↓
f:id:Tarte41:20170829212743j:plain
[C54カタログ P.158より]

SNKの格ゲー『ザ・キング・オブ・ファイターズ』シリーズの「庵×京」です。

この×表記に続くのが、現代ではかなり少なくなっている❤表記です↓
f:id:Tarte41:20170829215400j:plain
[C55カタログ P.439より]

最多表記は『SLAM DUNK』の「流❤花」です。
切れ込みの深い細長めのハートですね。
このハートマークの書き方で世代がバレるという話もあるので注意です。

そして現在最も多く使われてる連結表記は
この時代わずか11%程度しかありません↓
f:id:Tarte41:20170829215232j:plain
[C55カタログ P.336より]

最多表記は『鎧伝サムライトルーパー』の「征当」です。
どれも似たアングルなのは偶然です。

そして翌年の1999年から、連結表記の大躍進が始まります。
(詳しくは次回の記事で)

98-4:作品別ランキング

順位 1998夏 表記数 構成比 1998冬 表記数 構成比
1 SLAM DUNK 793 6.1% レッツ&ゴー!! 459 5.0%
2 ガンダムW 741 5.7% SLAM DUNK 391 4.3%
3 SMAP 668 5.1% SMAP 386 4.2%
4 FF7 659 5.1% ガンダムW 379 4.1%
5 レッツ&ゴー!! 658 5.0% 封神演義 365 4.0%
6 KOF 573 4.4% KOF 354 3.9%
7 封神演義 452 3.5% アンジェリーク 338 3.7%
8 アンジェリーク 449 3.4% V6 328 3.6%
9 V6 436 3.3% FF7 253 2.8%
10 るろうに剣心 421 3.2% るろうに剣心 243 2.6%

※レッツ&ゴー!!:爆走兄弟レッツ&ゴー!!
※KOF:ザ・キング・オブ・ファイターズ
※FF7:ファイナルファンタジー7

『SLAM DUNK』9連覇からの『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』

1994年夏コミから実に4年半もの間トップジャンルに君臨してきた
『SLAM DUNK』(スラダン)が遂にその王座を明け渡す時が来ました。
しかもその新王者が『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』(レツゴ)
私も完全に想定外でした。
これまで過去の同人人気作品の話を聞いても
レツゴの話は聞いたことがありませんでした。

しかも不思議なのは、パッと見スラダンサークルとレツゴのサークル数は
ほとんど同じか、ややスラダンの方が多いくらいなのに
表記数では大きな差が出ていることでした。

1つのサークルが書く表記数が多い『レツゴ』

ここで「カップリング表記を書いたサークル数」と「表記数」を並べてみると↓

作品 表記サークル数 表記数 平均表記数
スラダン 306 391 1.3
レツゴ 289 459 1.6

やはりスラダンの方がサークル数が若干多いにも関わらず
レツゴの方がトータルの表記数が多くなっています。
つまりレツゴの方が「1つのサークルが書く表記数が多い」ということになります。

f:id:Tarte41:20170829232156j:plain
このグラフを見ると明らかで、
スラダンは「1サークルカット1表記」のサークルが多く
レツゴは「1サークル2表記以上」のサークルが多いことが分かります。

実際にサークルカットを見てみると↓のようなカットが代表的です。
f:id:Tarte41:20170829225121j:plain f:id:Tarte41:20170829225049j:plain
[両方ともC55カタログ P.211より]

1枚目がドイツ代表+ブレットの海外勢推し、2枚目が烈受け固定の海外勢攻めと
複数のカップリング表記が書かれています。

こういったサークルの活動傾向の違いが
数字になって出てくるのは面白いですね。

98-5:カップリング表記ランキング

こちらは「カップリング」のランキングではなく
「カップリング表記」のランキングです。

C54(1998年夏)

順位 表記 表記数 構成比 作品
1 庵×京 161 1.2% KOF
2 木×中 114 0.9% SMAP
3 京×庵 103 0.8% KOF
4 1×2 93 0.7% ガンダムW
5 セフィ×クラ 91 0.7% FF7
6 流×花 80 0.6% SLAM DUNK
7 光×剛 70 0.5% KinKi Kids
8 征当 66 0.5% サムライトルーパー
9 火村×アリス 64 0.5% 作家アリス
  2×1 64 0.5% ガンダムW

作品別では6位の『KOF』から「庵×京」がトップ表記になっています。
逆カプの「京×庵」も3位と、作品内でのふたりの存在感が窺われます。

注目は9位の「火村×アリス」で、小説作品としては珍しいトップ10入り。
ちょうどこの時期は『京極堂シリーズ』などとともに、
コミケにも推理小説ブームがやってきています。
このあたりの詳細は同人誌『カップリング表記データブック【極】』をご参照ください。

【C92新刊】カップリング表記データブック【極】

C55(1998年冬)

順位 表記 表記数 構成比 作品
1 京×庵 79 0.9% KOF
2 庵×京 65 0.7% KOF
3 1×2 58 0.6% ガンダムW
4 木×中 54 0.6% SMAP
5 光×剛 44 0.5% KinKi Kids
6 2×1 40 0.4% ガンダムW
7 流×花 39 0.4% SLAM DUNK
8 楊×太 38 0.4% 封神演義
9 火村×アリス 34 0.4% 作家アリス
10 京×関 28 0.3% 京極堂シリーズ

冬コミでは遂に「京×庵」「庵×京」がワンツーフィニッシュ。
しかもよく見ると「庵×京」ではなく「京×庵」が上に来ています。

そして夏に引き続き推理小説から「京×関」がランクインしています。

そして今回初登場の注目株は8位の「楊×太」。
いわゆる「アンソロ事故」の王者『封神演義』の登場です。
アニメのリメイクも発表されたので、この当時との比較も楽しみです。

98-6:カップリングランキング

こちらは「カップリング」別のランキングです。

実在の人物のお名前については、事実は事実として正確に歴史を記しておきたい一方で
そのままの実名掲載は憚れるため、今回は折衷案として「姓名一文字ずつ」で記載しています。

例:跡部景吾 → [跡景]

ご了承ください。

C54(1998年夏)

順位 表記数 構成比 作品
1 流川楓 桜木花道 284 2.2% SLAM DUNK
2 [木拓] [中正] 216 1.7% SMAP
3 [堂光] [堂剛] 215 1.7% KinKi Kids
4 八神庵 草薙京 194 1.5% KOF
5 ヒイロ デュオ 158 1.2% ガンダムW
6 デュオ ヒイロ 148 1.1% ガンダムW
7 火村英生 有栖川有栖 132 1.0% 作家アリス
8 草薙京 八神庵 129 1.0% KOF
9 セフィロス クラウド 128 1.0% FF7
10 伊達征士 羽柴当麻 120 0.9% サムライトルーパー

『SLAM DUNK』の大王道「流川×花道」がトップです!

表記ランキングの順位が低いのは、表記揺れが大きいからです。
「流×花」が80表記に加えて「流花」も48表記、「るはな」も35表記あります。
逆に「草薙京×八神庵」は8割以上が「京×庵」と、脅威の集中力を見せています。
とても訓練されていますね。

そして2位と3位は名前を明記できないあの方達。
今では信じられない状況です。

C55(1998年冬)

順位 表記数 構成比 作品
1 [堂光] [堂剛] 139 1.5% KinKi Kids
2 流川楓 桜木花道 126 1.4% SLAM DUNK
3 [木拓] [中正] 120 1.3% SMAP
4 ヒイロ デュオ 107 1.2% ガンダムW
5 草薙京 八神庵 99 1.1% KOF
6 デュオ ヒイロ 80 0.9% ガンダムW
7 八神庵 草薙京 76 0.8% KOF
8 火村英生 有栖川有栖 75 0.8% 作家アリス
9 楊戩 太公望 60 0.7% 封神演義
10 伊達征士 羽柴当麻 58 0.6% サムライトルーパー

迂闊に語れないランキングになってきました。

こういう時代もあったんです!ということで、コメントは差し控えさせて頂きます。

98-7:トピックス

【カタログ初出】P禁

f:id:Tarte41:20170831211700j:plain
[C54カタログ P.649より]

コミケのサークルカットにあえて「P禁」(一般人禁止)とか書く人は基本いないので
初出がこういうカットになりました。
「J禁」とか「P禁」って単語がネタになる時期だったようです。
「J禁」は初出が前年のC53だったので、この時期該当ジャンルの活性化に伴って
普及したのだと思われます。

もちろん当記事内の「J禁」「P禁」は「JリーガーはPHSを持ち歩かないで下さい」の略です!

【カタログ初出】バカ毛


[C54カタログ P.235より]

「アホ毛」じゃなくて「バカ毛」。
そもそも「バカ毛」って単語を初めて見ました。

『ファイナルファンタジータクティクス』のサークルさんです。
話術士懐かしい。

技あり表記


[C54カタログ P.649より]

上手い!
カップリング表記としては普通に「H×D」なんですが
よく見ると上と下に数式っぽくキャラ名が書かれています。
上が「Heero Yuy」、下が「Duo Maxwell」です。
かっこE。

個人ファンサイトの広がり


[C55カタログ P.379より]

1998年はちょうどインターネットの一般利用が広がっている時期なので
サークルカットにも少しずつ個人ホームページのURLが書かれるようになっています。

↓ナデシコサイトはカットが並んでました
f:id:Tarte41:20170831225728j:plain
[C55カタログ P.574より]

普段カップリング表記の調査をしていると、この時代に作られた個人ファンサイトが
今もまだインターネットの海に漂流していたりするのを発見したりしますね。
たいへん勉強になります。

98-8:1998年まとめ

・『SLAM DUNK』9連覇!
・からの『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』が冬の王者に
・レツゴはサークル数は多くないが、1サークルが書く表記数が多い

・×表記の最盛期

・「ゲーム」「アイドル」ジャンルが勢力拡大

・C55(1998年冬)のNo.1カップリングがヤバい

・「J禁」「P禁」は「JリーガーはPHSを持ち歩かないで下さい」の略

今回は以上です。

次回はいよいよ1990年代最後のイヤー1999年になります。
ここでもまたカップリング表記界に大きな変化が発生しています。
2000年代、そして21世紀へと続くその流れを次回もしっかりレポートしていきたいと思います。

そして1999年が終わったら、一旦1990年代の総括記事を書く予定です。
いつか。

ではまた次回!

同人誌

これまで調べたカップリング表記情報は『カップリング表記データブック』という
同人誌にまとまっていますので、よろしければこちらも。

◆COMIC ZINさんに委託中です◆
http://shop.comiczin.jp/products/list.php?category_id=5603

バンダイナムコの株主総会に行ってきました(2017年版)

今年も無事にバンダイナムコホールディングスの株主総会に行ってきました。

開催情報

日時:2017年6月19日(月曜日)10:00~11:40位
場所:グランドプリンスホテル新高輪「飛天」
最寄:品川駅

展示

入口からの螺旋通路展示

毎年恒例バンナム主要IPの紹介パネルでした。





どうやら50音順。
去年までそんな配慮はなかった気がする。
鉄拳の位置が若干おかしいけど、細かいことは気にしない方向で。

今年は等身大パネル!

去年は普通のパネルだった『ラブライブ!サンシャイン!!』が
等身大パネルになって帰ってきました。
超豪華。

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新たな株主優待「アート・コレクション」

今年から導入された500株以上持ってる選ばれた株主限定の株主優待。

もう一枚ファーストガンダムのもありました(写真撮り忘れ)。

来年の作品によっては株価が動く可能性も。

株主総会

今年の事業報告声優さんは!

昨年に引き続き田口社長からの挨拶で総会スタート。

そして毎年注目の事業報告映像に。
この映像には例年バンナム作品に縁のある声優さんが起用されています。
今年は『ラブライブ!サンシャイン!!』で高海千歌役を演じた
伊波杏樹さんでした!

遂にラブライブ!声優さん来ましたね。
例年より声が若い!と思いましたが、まさかの。
(映像の最後に声優さんの名前が出るシステム)

頑なにアイマスとラブライブ!の声優さん使わないなと
思ってましたが、いよいよこれから時代が来るかも。

【近年の事業報告声優さん(敬称略)】
2008年:三石琴乃(セーラームーン・エヴァのミサトさん)
2009年:潘恵子(聖闘士星矢の沙織さん・ガンダムのララァ)
2010年:小山茉美(ガンダムのキシリア・ミンキーモモ・アラレちゃん)
2011年:遠藤綾(マクロスFのシェリル)
2012年:坂本真綾(エヴァのマリ・コードギアス亡国のアキトのレイラ)
2013年:藤村歩(ガンダムUCのミネバ様)
2014年:桑島法子(ヤマト2199の森雪・ナデシコのミスマル・ユリカ)
2015年:潘めぐみ(ハピネスチャージプリキュア!のキュアプリンセス)
2016年:寺崎裕香(鉄血のオルフェンズのクーデリア・藍那・バーンスタイン)
2017年:伊波杏樹(ラブライブ!サンシャイン!!の高海千歌)

質疑応答

全文は誰かがきっと起こしてくれているので
個人的に気になったものだけ。

アイドルマスターXENOGLOSSIA10周年だしグッズとかBD-BOXお願いします

言うだけ言ってみることだいじ。

古いIPを社内ベンチャーとかで活用しよう

もうやってる↓
open.channel.or.jp

200件くらい企画があって、50件くらい既に実施済みとのこと。

2017年度のネットワークエンターテインメント事業は減収減益予定だが

昨年度は『ダークソウル3』と『ドラゴンボールゼノバース2』が大きくて
今年度はそこまでビッグなタイトルが予定されてないとのこと。
それと今年度はアプリ開発と新宿のVR施設への投資リスクが大きい年となるらしい。
昨年度は過去最高益だから反動は仕方ないかと。
利益を先行投資に回すのは理想的な企業の姿。

DARK SOULS III THE FIRE FADES EDITION - PS4

DARK SOULS III THE FIRE FADES EDITION - PS4

ドラゴンボール ゼノバース2 - PS4

ドラゴンボール ゼノバース2 - PS4

『ドラゴンボールZ ドッカンバトル』

で業績が「ドッカン」上がった
完全にスベってて最高に面白かった。
こういうチャレンジ大好き。

回答は結構重要なことを話していて、
iOSアプリの制約が厳しいので、HTML5をこれから取り入れていく模様。
グラブルみたいにWeb版っていう選択肢が生まれるのは強いかと。

総会アフター

株主総会後の上映会

今年は『ラブライブ!』の英語吹替版でした。

取締役のみなさんと語ろうコーナー

個人的にバンダイナムコ株主総会の最大のイベント
「取締役と直接話せるタイム」です。
パネルとかの展示があるコーナーに普通にいらっしゃるので普通に話せます。
横に記録する人もついてて、ちゃんと言えば伝わるし残ります。
素晴らしい。

↓結果はTwitterに







【コミケカタログで90年代のカップリングを調べてみた】第九回:失楽園よりセフィクラが気になる1997年

コミケカタログのサークルカットからカップリング表記を抜き出して
カップリングの歴史を見ていこう的な記事、第9回です。
前回から1年以上経っていますが、気のせいです。
その間もちゃんと調査はしてました。

1997年といえばもう20年前のことになるので
当時の様子を軽く思い起こしながら見ていきたいと思います。

1997年に盛り上がったもの

映画

・ 5月『失楽園』           →流行語大賞に
・ 7月『もののけ姫』         →「生きろ。」
・ 7月『エヴァ Air/まごころを、君に』→「気持ちわるい」
・12月『タイタニック』        →年末公開だったのでブームは翌年

もののけ姫 [Blu-ray]

もののけ姫 [Blu-ray]

ドラマ

・ 1月『踊る大捜査線』   →後から人気に
・ 4月『ひとつ屋根の下2』 →ひだまりの詩
・ 7月『失楽園』      →映画に続いてドラマも

踊る大捜査線(1) [DVD]

踊る大捜査線(1) [DVD]

『踊る大捜査線』は後年、コミケの「TV・映画・芸能」ジャンルに
大きなインパクトを与えました。この年はまだそれほど。

音楽

・ 2月『CAN YOU CELEBRATE?(安室奈美恵)』→脅威のダブルミリオン
・ 7月『硝子の少年(KinKi Kids)』→デビューシングル

KinKi Single Selection

KinKi Single Selection

CDバブル真っ盛り。
セールストップテンは全てミリオンという恐ろしい時代です。
90年代前半から活動している『KinKi Kids』が満を持してのCDデビュー。

書籍

・『ビストロ・スマップ完全レシピ』
・『失楽園上・下』

ビストロスマップ完全レシピ

ビストロスマップ完全レシピ

『SMAP×SMAP』のもたらしたインパクトについては後述します。

漫画

・ 2月『最遊記』連載開始
・ 4月『ポケットモンスターSPECIAL』連載開始
・ 7月『ONE PIECE』連載開始
・11月『週刊少年マガジン』が『週刊少年ジャンプ』を発行部数で抜く

ONE PIECE  1 (ジャンプ・コミックス)

ONE PIECE 1 (ジャンプ・コミックス)

ジャンプ低迷の時代に『ONE PIECE』が連載を開始しています。
2000年前後に『封神演義』『幻想水滸伝』とともにコミケ中華ブームを担った
『最遊記』にも注目です。

アニメ

・ 1月『新機動戦記ガンダムW Endless Waltz』(OVA)
・ 2月『勇者王ガオガイガー』
・ 4月『ポケットモンスター』→12月に「ポケモンショック」
・ 4月『少女革命ウテナ』
・ 4月『金田一少年の事件簿』

ポケットモンスター 1巻 [VHS]

ポケットモンスター 1巻 [VHS]

この年のアニメと言えば『ポケモン』が大きな話題となりました。
事件の影響か、この頃のDVDとかBlu-rayは出ていない模様。

ゲーム

・前年『ポケモン(赤緑青ピカ)』 →前年発売でこの年も大ブーム
・前年『たまごっち』       →社会現象に(第一次ブーム)

・ 1月『ファイナルファンタジーⅦ』
・ 5月『To Heart』(PC版)
・ 6月『ファイナルファンタジータクティクス』
・ 7月『サガフロンティア』
・ 7月『みんなのGOLF』
・12月『テイルズオブデスティニー』
・12月プレステの出荷台数が日本国内1000万台突破

プレイステーションSCPH-7000本体 PS

プレイステーションSCPH-7000本体 PS

この年のプレステブームがコミケのゲームジャンルにも
大きな影響を及ぼすことになります。

1997年のコミケ

夏(C52)と冬(C53)の2回開催されました。

↓当時のコミケカタログ

C52のカタログは2冊に分冊されていました。
この回を最後に、以降コミケカタログの分冊は行われていません。

回数 季節 会場 日数 サークル 参加人数
C52 1997 東京ビッグサイト 3 33,000 400,000
C53 東京ビッグサイト 2 22,000 300,000

前年から東京ビッグサイトでの開催になり、拡大を続けるコミックマーケットですが
いよいよこの年の夏コミは3万サークルを超えてきました。
前開催から1万サークル以上増えるというコミックマーケットにとって
大きなチャレンジとなった回です。

このカップリング表記調査もこの辺りから心が折れそうになってきます。

1997年のカップリング表記

97-1:カップリング表記数

サークルカットに書かれたカップリング表記の数です。
いつも通り目視で数えています。

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夏コミで初の1開催1万表記を達成!
さすがサークル数1万増は伊達じゃありません。

一方の冬コミは2日開催なので前年冬と同じレベルまで戻っています。

97-2:カップリング表記サークル数

続いてカップリング表記を書いているサークルの数です。
f:id:Tarte41:20170321001626j:plain

カップリング表記サークル数が大きく増加している一方で
カップリング表記を書いているサークルの割合は微減しています。

ただ1%未満のレベルの話なので、誤差の範囲と言えるかもしれません。
この年は概ね4サークルに1サークルはカップリング表記を書いていることになります。

97-3:記法別ランキング

カップリング表記の記法(書き方)別のランキングです。
記法の分類については↓の記事をご参照ください。
カップリング表記の基本 - あまあまくろにくる

順位 1997夏 表記数 構成比 1997冬 表記数 構成比
1 × 7,014 60.9% × 4,748 61.7%
2 1,505 13.1% 1,064 13.8%
3 連結 1,447 12.6% 連結 892 11.6%
4 730 6.3% 493 6.4%
5 247 2.1% 171 2.2%
6 243 2.1% 120 1.6%
7 固有 168 1.5% 固有 77 1.0%
8 49 0.4% 29 0.4%
9 17 0.1% 16 0.2%
10 14 0.1% 14 0.2%

×表記と❤表記の趨勢は決し、×全盛の時代が続いています。

97-4:作品別ランキング

順位 1997夏 表記数 構成比 1997冬 表記数 構成比
1 SLAM DUNK 1,242 10.8% SLAM DUNK 577 7.5%
2 新機動戦記ガンダムW 1,137 9.9% 新機動戦記ガンダムW 576 7.5%
3 SMAP 879 7.6% SMAP 418 5.4%
4 勇者指令ダグオン 561 4.9% FF7 417 5.4%
5 サムライトルーパー 437 3.8% KOF 404 5.3%
6 KOF 393 3.4% レッツ&ゴー!! 327 4.3%
7 るろうに剣心 387 3.4% アンジェリーク 264 3.4%
8 アンジェリーク 306 2.7% 勇者指令ダグオン 196 2.5%
9 幽遊白書 297 2.6% サムライトルーパー 193 2.5%
10 レッツ&ゴー!! 280 2.4% るろうに剣心 188 2.4%

※KOF:ザ・キング・オブ・ファイターズ
※FF7:ファイナルファンタジー7

『SLAM DUNK』脅威の8連覇!

1994年夏コミから実に4年間、トップジャンルに君臨しています。
連載もアニメも前年に完結している中、この存在感は流石です。

Slam dunk―完全版 (#1) (ジャンプ・コミックスデラックス)

Slam dunk―完全版 (#1) (ジャンプ・コミックスデラックス)

一番人気のカップリングは「流花(流川楓×桜木花道)」
スラダンジャンルの30%を占めています。
2位も逆カプの「はなる(桜木花道×流川楓)」なので
近年の『TIGER&BUNNY』ジャンルのようなバディ型のカップリング分布になっています。

流花は主に漢字ですが、花流は平仮名の「はなる」が多いのも特徴です。

一表記に肉薄『ガンダムW』


[DOLCE&GABBANA シンプルリブ地コットンタンクトップ]

この「お前を殺す服」で有名な『ガンダムW』が
冬コミで絶対王者『SLAM DUNK』にわずか一表記差まで迫る第2位にランクイン。

構成比で見ると、2016年冬コミのトップジャンル『刀剣乱舞』が
「10.0%」だったので、1997年の夏コミは『刀剣乱舞』クラスの
作品が2つもあったことになります。

炸裂!『SMAP×SMAP』ダイナマイト!

ダイナマイト

ダイナマイト

前年4月から始まった平均視聴率29.6%の月9ドラマ『ロングバケーション』と
冠番組『SMAP×SMAP』の大ヒットを背景に、『SMAP』が三次元最高記録となる
879表記を獲得して堂々3位。
二次元全盛の90年代に一石を投じる形となりました。

この時代は三次元のカップリング表記に隠語などはほとんど使われておらず
「木×中」「慎×中」「慎×剛」など、普通に名前の省略形で表記されていました。

上位陣の構成比

このように、トップ3は前年に引き続き『SLAM DUNK』『ガンダムW』『SMAP』がガッチリキープ。
しかも全体のサークル数増加に呼応して、カップリング表記数も増えています。

ですがその一方で、全体に対する構成比はかなり下がってきています。

f:id:Tarte41:20170321235717j:plain
↑表記数は増加しているが 
↓構成比は低下
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このギャップの背景にあるのは、カップリング表記が
数多くの作品に広がっていってるということです↓

カップリング表記が書かれた作品数の推移

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これまで緩やかに増えてきた作品数が、
1996年冬・1997年夏と急激に増加しています。
しかも2日開催で大幅にサークル数が減った1997年冬コミでも微減です。

これまである程度限定された作品に書かれていた
カップリング表記がこの時期、広く普及していった様子が見て取れます。

プレステRPGの時代を切り開く『ファイナルファンタジー7』

前回の記事で「ゲームジャンルの台頭」について触れましたが
1996年は『KOF』を中心とした格闘ゲームの時代でした。

しかしここで流れは一変します。
伝説の三角関係RPG『ファイナルファンタジー7』の登場です。

ファイナルファンタジーVII 10thアニバーサリー アルティマニア 増補改訂版 (SE-MOOK)

ファイナルファンタジーVII 10thアニバーサリー アルティマニア 増補改訂版 (SE-MOOK)

三角関係に誰を当てはめるかはプレイヤー次第です↑

この作品の大ヒットによるPlayStationの普及が
『アンジェリーク』『遙かなる時空の中で』を中心とした乙女ゲームや
『幻想水滸伝』『東京魔人学園』『ペルソナ』などのRPGジャンルの
隆盛へと繋がっていくことになります。(特に根拠はないので、あくまで推測ですが)

一番人気カップリングは「セフィ×クラ(セフィロス×クラウド)」で
ジャンル全体の約4分の1。
後年人気となる「ザックラ(ザックス×クラウド)」は、まだ6%程度でした。

97-5:カップリング表記ランキング

「カップリング」のランキングではなく
「カップリング表記」のランキングです。

C52(1997年夏)

順位 表記 表記数 構成比 作品
1 1×2 142 1.2% 新機動戦記ガンダムW
2 木×中 131 1.1% SMAP
3 流×花 127 1.1% SLAM DUNK
4 2×1 117 1.0% 新機動戦記ガンダムW
5 庵×京 102 0.9% KOF
6 征当 86 0.7% サムライトルーパー
7 京×庵 85 0.7% KOF
8 流花 84 0.7% SLAM DUNK
9 デュオ×ヒイロ 77 0.7% 新機動戦記ガンダムW
10 慎×中 68 0.6% SMAP

夏のカップリング表記は「1×2」がトップでした!
この作品を知らない方にはさっぱり分からない感。

この時期は三次元よりよっぽど暗号化されてますね。

上位5表記が全て「×表記」なことからも、
×表記全盛の時代であることが分かります。

C52(1997年冬)

順位 表記 表記数 構成比 作品
1 庵×京 132 1.7% KOF
2 1×2 75 1.0% 新機動戦記ガンダムW
3 京×庵 68 0.9% KOF
4 セフィ×クラ 62 0.8% ファイナルファンタジー7
5 2×1 56 0.7% 新機動戦記ガンダムW
6 流×花 54 0.7% SLAM DUNK
7 木×中 52 0.7% SMAP
8 流花 42 0.5% SLAM DUNK
9 征当 39 0.5% サムライトルーパー
10 カヲル×シンジ 34 0.4% 新世紀エヴァンゲリオン

一方の冬は「そのまま死ね!」攻め「燃え太郎」受けこと「庵×京」がトップ。
4位に話題の「セフィ×クラ」も入ってきています。

意外なのはこの時期に「カヲル×シンジ」が上がってきていることでしょうか。

97-6:カップリングランキング

カップリングランキングは三次元的な実名を出さざるを得ないので
ここでは省略します。

同人誌『カップリング表記データブック』の方では特に規制せず
ありのままを掲載していますので、詳しくはそちらで。

97-7:トピックス

【カタログ初出】生もの

f:id:Tarte41:20170323220232j:plain
[コミケット52カタログside1 P.401より]

いわゆる実在の人物を題材にした二次創作を「ナマモノ」と言いますが
その単語がサークルカット上に登場したのはこの年が初。
通常カット上で使われない単語なのでここまで書かれなかったのだと
思いますが、歴史上の記録として残しておきます。

【カタログ初出】J禁

f:id:Tarte41:20170323223133j:plain
[コミケット53カタログ P.330より]

こちらもこの年の初出。意味はググって頂ければと思います。
この時期は特に三次元方面の意識の高まりを感じます。(ふわっとしたコメント)

【カタログ初出】SS

f:id:Tarte41:20170323221026j:plain
[コミケット52カタログside2 P.68より]

カタログ初出シリーズ、こちらは「SS(ショートストーリー)」です。
パソコン通信時代から使われていたと聞いたことがありますが
サークルカットに登場したのはこれが初。

【初登場】東方Project

f:id:Tarte41:20170323222039j:plain
[コミケット52カタログside1 P.302より]

今や説明不要のビッグタイトルに成長した『東方Project』がコミケ初登場。
Windows版ではなく、PC-98で出た「旧作」シリーズです。
サークルカットに書かれているURLは現在も機能していて
旧作の体験版をダウンロードすることが出来ます。
http://www.kt.rim.or.jp/~aotaka/

カップリング表記が出てくるのはWindows版の頒布を待つこととなりますが、
この約20年後の2016年冬コミではサークル数1,582、
カップリング表記数152(作品別20位)となっています。

「&」と「×」の使い分け

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[コミケット52カタログside2 P.186より]

『SLAM DUNK』の三井攻めリョータ受けサークルさんですが
「三×リョ」と「三&リョ」の2つの表記を併記しています。
このことから、記号の「×」と「&」に意味の差があるという認識が見て取れます。

「×はエロあり」「&は友情やエロなし」みたいな話も聞いたことがありますが
カップリング表記に単なる攻め受け以上の意味が付与されていることは確定的に明らかです。

1997年は「×表記」の使用率が60%以上と高い使用率を示しているので
この時期にこれだけ流行っている×表記を使わず、あえて他の表記を使っている時は
そこに書き手の強い意思が込められていると考えた方がいいかもしれません。

97-8:1997年まとめ

・『SLAM DUNK』8連覇!
・1開催で8,000サークル以上がカップリング表記を書くように
・「×表記が6割」

・「漫画・アニメ」の時代から「漫画・アニメ・ゲーム・アイドル」の時代へ
・三次元同人文化に変化の兆し

今回は以上です。
それまで特定の人気作品に偏っていたカップリング表記が、かなり広いジャンルで
使われるようになったことが、この時期のデータから見て取れます。
1997年はカップリング表記の裾野が広がった年と言えるでしょう。

次回は世紀末に向かって激変を迎える1998年のカップリング表記を
またまたガッツリ見ていきたいと思います。

ではまた次回!

同人誌

これまで調べたカップリング表記情報は『カップリング表記データブック』という
同人誌にまとまっていますので、よろしければこちらも。

◆COMIC ZINさんに委託中です◆
http://shop.comiczin.jp/products/list.php?category_id=5603

第1回カップリング表記検定準2級おつかれさまでした!

2016年11月5日(土)に『第1回カップリング表記検定準2級』が開催されました。

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2015年冬コミに発行した『第1回カップリング表記検定2級』がおかげさまでご好評頂き
「リアルでも試験を受けてみたい」というご要望を受け今回実施することになりました。

『第1回カップリング表記検定2級』の感想はこちら(ネタバレありなので注意)↓
【C89】【同人誌】第1回カップリング表記検定2級の感想 - Togetterまとめ

開催要項

同日に午前と午後の2回開催されました。

午前会場:私設図書館シャッツキステ

こちらは女性限定で行われました。
blog.livedoor.jp

午後会場:米沢嘉博記念図書館(マンガ・アニメ史研究会主催)

こちらは無差別級。
第1回 カップリング表記検定 準2級【夜の部】

事前講座

検定前にカップリング表記の基本的な考え方や
分類方法などの解説を行いました。

内容としては以前ブログに書いた↓こちらの内容とほぼ同じです。
tarte41.hatenablog.com

検定結果

参加人数

午前: 6人
午後:16人
合計:22人

合格者

70点以上が合格でした。

午前: 6人合格(合格率:100%)
午後:13人合格(合格率: 81%)
合計:19人合格(合格率: 86%)

午前の部は脅威の合格率100%でした!
素晴らしいですね。
午後の受検者に大きなプレッシャーをかけてきました。

問題作成時には合格率70%くらいを想定していたのですが
想像以上に参加者の方のレベルが高かったですね。
嬉しい悲鳴です。

得点分布

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点数レンジ:58-86点
平均点:76点

想定平均点は70点前後だったんですが、大幅に上回ってきました。
総じてレベルが高いです。

参加者タイプ別平均点

性別 生年 人数 構成比 平均点
女性 1960年代 1 5% 76
  1970年代 1 5% 72
  1980年代 4 18% 79
  1990年代 4 18% 77
  2000年代 6 27% 73
  1 5% 80
男性 1980年代 5 23% 77

タイプ別で見ると1980年代生まれの女性が強いですね。
今回の問題作成時には世代格差が出にくいように
出来るだけ新しめの作品に問題を寄せるようにしていたのですが
新旧の両方を知るエリート世代なのかもしれません。

また、男性の平均点が高いです。
最高得点2人の方の片方も男性の方でした。

クラスタ別平均点

検定の問99は
「あなたが現在好きなカップリングをひとつ書きなさい。
 現在推しカップリングがない場合は、
 好きな文房具を2つ選んでカップリング表記で書きなさい」

という問題でした。

この問99に書かれたカップリングを集計してみたところ作品別では↓でした。

6人 ハイキュー!!
3人 おそ松さん
2人 刀剣乱舞
2人 文房具
2人 ユーリ!!! on ICE
1人 Thunderbolt Fantasy
1人 ニンジャスレイヤー
1人 ダイヤのA
1人 いつか天魔の黒ウサギ
1人 魔法少女リリカルなのは
1人 艦隊これくしょん
1人 弱虫ペダル

2人以上いる作品について平均点を比較してみると
ハイキュー!!クラスタが平均81点でトップでした。
人数が多い上に平均点も高く、ハイキュー!!クラスタの
カップリング表記力の高さをうかがわせます。

正解率の低かった問題

完全に参加者向けの情報ですが、正解率の低かった問題TOP5はこちらでした。

1位:問1-⑦ 14%(3人)
2位:問1-⑥ 27%(6人)
2位:問11  27%(6人)
4位:問4-Ⅳ 32%(7人)
5位:問5-Ⅲ 36%(8人)

5位の問5-Ⅲは選択問題でしたが、かなり難易度が高かったようです。

合格証

合格者の方々にはシャッツキステのミソノさんデザインの素敵な合格証が授与されました。

この合格証に加えて、手で貼るラミネートもおまけでつきました。
ナカバヤシ その場で簡単ラミネート 手貼りラミフィルム 名刺
私もサークル参加の際に値札を作る時によく使っています。便利。

印刷は名刺印刷で有名なマヒトデザインさんにお願いしました。
受付当日出荷!格安名刺印刷のマヒトデザイン
今回全く名刺ではないですが、快く引き受けて頂けました。
しかも依頼した2日後に届きました。ありがとうございます。

問題は冬コミの新刊に掲載されます

今回受検出来なかった方へもぜひということで
今回の問題は冬コミの新刊に掲載する予定です。

冬コミは3日目の東2-W44a「あまあまくろにくる」にて参加予定です。
WebCatalog:あまあまくろにくる
よしなに。

関連ツイートまとめ

@hiroppi1969 さんが関連ツイートをまとめてくださいました。
togetter.com

感想

ご参加のみなさま、関係者の方々おつかれさまでした。
おかげさまでとても楽しいイベントになりました。

午前の部では検定後にシャッツキステさんで紅茶を飲みながら
ゆっくりと語る時間があり、全く異なるクラスタの方々が
自分たちの沼の魅力を語り合っている姿がとても印象的で、嬉しかったです。
各ジャンル特有の情報なども教えて頂き、個人的にもとても勉強になりました。

午後の部は解説で盛り上がり少し時間が押してしまいましたが
たくさんの方々に来て頂き、とても楽しい時間をすごすことが出来ました。
もし次回があれば質疑応答の時間や、午前の部のような参加者のみなさんが
語り合える時間も設けられればと思います。

本当に楽しい時間をありがとうございました。

シャッツキステのミソノさんの感想



おまけ

当日差し入れを頂きました。

カップリング表記だから「カップ」ケーキ!
とても美味しかったです。ありがとうございました。
次回はタルトでも構いません。

カップリング表記の基本

カップリング表記研究家のタルトです。
コミケカタログのサークルカットからカップリング表記を
抜き出して集計する研究を日々行っています。

現在の調査量としては
・調査対象
 1982年夏コミ(C21)~2001年冬コミ(C61)
 2013年夏コミ(C84)~2016年夏コミ(C90)
・延べ 82万サークル
・カップリング表記数 29万件
となっています。(2016年10月現在)

まだまだ引き続き調査中ですが、ある程度データも集まってきましたので
ここで改めてカップリング表記の定義と分類をまとめてみます。

もちろんカップリング表記に込められた意図や想いは書いた人によって異なるので
すべての状況を網羅した完璧な一つの正解を出すことは不可能です。
ここではあくまで「概論」ということでご了承ください。

カップリング表記の定義

普段使い慣れてはいても、改めて考えると難しいテーマです。
まずは「カップリング」と「表記」の2つに分けて考えてみます。

カップリング=関係性を与えること

「カップル」という単語には「2つのものを一組にする」という意味があります。
ここでの2つのものというのは、通常2人のキャラクター(もしくは人物)で、
「一組にする」とはそこに何らかの「関係性を持たせる」ということです。

例えばAさんとBさんがいたら

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この2人に関係性を与えて

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とするのがカップリングということになります。

ここでの「関係性」には主に恋愛が入りますが、友情などもありえます。

表記とは

表記とは「文字や記号を用いて書き表すこと/表したもの」です。

つまりカップリング表記とは

以上をまとめると、カップリング表記とは

「2人のキャラクターとそこに与えた関係性を
 文字や記号を用いて書き表したもの」

となります。

※ここテストに出ます

カップリング表記の構成要素

カップリング表記は原則として、以下の条件を満たします。

「キャラクターA」「キャラクターB」「関係性」の3つの要素から成立
「文字・記号」のみで成立(理解にイラストが必要な物は含まない)

一般的に、各構成要素は以下のように対応しています。

・キャラA → 攻めキャラ
・キャラB → 受けキャラ
・関係性  → 記号

カップリング表記の種類(記法)

カップリング表記はその書き方(記法)で大きく5つのパターンに分かれます。

①記号を使うもの
②記号を使わないもの
③攻めと受け
④各作品固有のもの
⑤特殊なもの

※以下、記法の分類・名称は筆者の論文
 『1980年代のコミックマーケットカタログにおけるカップリング表記の変遷(BL・やおい)』
 (日本マンガ学会発行『マンガ研究 vol.20』に掲載)
 に基づきます。

①記号を使うもの

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ブラウザゲーム『刀剣乱舞-ONLINE-』から、「三日月宗近」と「鶴丸国永」の
2人のキャラクターのカップリング表記「三日月×鶴丸」を例に挙げました。
この表記では「三日月宗近」と「鶴丸国永」の2人が恋愛関係にある
ということが表現されています。

構成要素に注目すると、前述の定義に則し、
「三日月」「鶴丸」という2人のキャラクターと、
その関係性を示す「×(かける)記号」の
3つの構成要素から成り立っていることが分かります。

この例では、関係性を示す記号に「×」が使用されていますが、
他にも「+」「❤」「→」「*」「&」「/」など様々な記号がここに入ります。
その際、「×」であれば「×表記」(かけるひょうき)
「❤」であれば「❤表記」(はーとひょうき)と呼びます(他の記号も同様)。

それぞれの記号が意味する内容(愛情なのか友情なのかなど)は使う人の定義によるので、
ここでは言及しません。
「×は愛情」「+は友情」など、ある程度の共通認識はありますが、
使う人によって意味合いが異なると考えたほうが安全です。

この「記号を使う表記」がカップリング表記の基本形となります。

通常、記号の左側に書かれるキャラクターが「攻め」、
右側に書かれるキャラクターが「受け」と呼ばれます。

②記号を使わないもの

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「みかつる」という平仮名4文字で、①の「三日月×鶴丸」と同じ内容を表記しています。

カップリング表記の基本形から「記号」が省略され
「攻めキャラ」「受けキャラ」の2つの構成要素だけから成り立っています。
これを「連結表記」と呼びます。

「連結表記」を使う際、キャラクターの名前は短縮されるのが通例です(1~2音)。
ここでも「三日月」は「みか」の2文字2音に、
「鶴丸」は「つる」の2文字2音に短縮されています。

この「連結表記」が近年最も使われているカップリング表記となっています。
(根拠となるデータは前述の論文と後述の同人誌に掲載)

③攻めと受け

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「連結表記」では「記号」が省略されていましたが、
ここでは、キャラクターの片方が省略されています。

このパターンには以下の2種類があります。
・「攻めキャラ」+「記号(攻)」で構成される「攻め表記」
・「受けキャラ」+「記号(受)」で構成される「受け表記」

主にカップリング相手が複数いる場合、
もしくは決まっていない(フレキシブルに変化する)場合に用いられます。
また、大量に相手がいる場合は「総攻め」「総受け」と表記されます。

④各作品固有のもの

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2015年のアニメ『おそ松さん』から「松野カラ松」と
「松野一松」のカップリング表記「色松」を例に挙げました。

これまでの表記とは全く異なるパターンで、
「攻めキャラ」「記号」「受けキャラ」の全ての要素が入っていないものの、
カップリング表記として成立しているものです。

なぜ成立しているのかというと、カラ松と一松の連結表記「カラ一(からいち)」が
一見「カラー(からー:色)」に見えるためです。
そこから転じて『おそ松さん』界隈では「色松」といえば、
カラ松と一松のふたりを指す慣習が出来ています。

ただし、その成り立ちとは異なり、単に「色松」と言った場合
「カラ松×一松」とは限らない(一松×カラ松かもしれない)点に注意が必要です。

このように、カップリング内容を理解するために
作品固有の知識が必要になることから、この記法を「固有表記」と呼びます。

固有表記の場合、恋愛的な要素がなく単純に2人を(コンビとして)まとめて言う際にも使われ、
カップリング表記とは区別する場合もありますが、
「2人に関係性を与える」という性質を満たすため、
ここでは全てカップリング表記として取り扱っています。

固有表記は基本的にどちらのキャラクターが受けなのか分からないのも特徴で、
攻め受けを明示するために「色松(一松受)」など他の表記と併記するケースも見られます。

■サンド表記
サンド表記については改めて別にまとめます。

⑤特殊なもの

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相合傘です。
これをカップリング表記とするかは意見の分かれるところだと思いますが、
「攻めキャラ」「記号(傘)」「受けキャラ」の3つの要素を満たしているため、
ここではカップリング表記として扱っています。
これを「傘表記」と呼びます。

■複合型
その他の特殊なものとしては、「三日月×鶴丸+小狐丸」など、
記号を複数使った表記があります。
原則2人で構成されるカップリング表記に、新たな「小狐丸」というキャラクターが登場し、
キャラクターが3人になっています。
ここではこれを「三日月×鶴丸」「鶴丸+小狐丸」の2つのカップリング表記が
融合したものと考え、1つのカップリング表記として扱っています。
これを、使用している記号から「×+表記」(かけるぷらすひょうき)と呼びます。
他の記号の場合も同様です。

■リバーシブル
リバ表記についてはパターンが多いため、改めて別にまとめます。

■ハーレム・総当り・総愛され
例えば「三日月ハーレム」という表記があった場合、
ここでは「総攻め」と同義の表記として「ハーレム表記」に分類しています。

同様に「総当り」「総愛され」は「総受け」と同義の表記として
「総当り表記」「総愛され表記」に分類しています。

以上がカップリング表記の基本的な定義と分類になります

カップリング表記はコミケカタログの中だけでも
既に35年以上は使われており、時代ごとにその意味や
記法のトレンドなどが変化し続けています。

そして現代ではそれに加えてpixivやニコニコ動画などのタグ文化も
並行して発展しており、相互に関係しつつもそれぞれ独自の要素もあり
全体が掴みにくくなっている状況です。

そんな中でカップリング表記を一つの定義や分類でまとめることは難しいため
今後も調査の中で適宜分類の見直しは行っていく予定です。

今回はまず現時点の情報としてまとめておきます。

関連資料

カップリング表記の論文

『1980年代のコミックマーケットカタログにおけるカップリング表記の変遷(BL・やおい)』

マンガ研究 vol.20 第13回大会シンポジウムマンガとアジア

マンガ研究 vol.20 第13回大会シンポジウムマンガとアジア

真夜中のニャーゴ『金田×タルト「カップリング40年史」』

フジテレビオンデマンドの『真夜中のニャーゴ』で放送された
コミケカタログに見るカップリング表記史です。(2016年6月10日放送)
www.houdoukyoku.jp

カップリング表記研究の同人誌

カップリング表記の研究成果を同人誌としてまとめています。
夏冬のコミケにて頒布を行いつつ、平時はCOMIC ZINさんに委託しています。

COMIC ZIN(サークル:あまあまくろにくる)

1990年代のカップリング表記データ

1990年代のカップリング表記データをこちらにまとめています。
カップリング表記-1990年代 カテゴリーの記事一覧 - あまあまくろにくる