【コミケカタログで90年代のカップリングを調べてみた】第四回:1992年は拡散の時代!

コミケカタログのサークルカットからカップリング表記を抜き出して
分析してみたかんじの記事、第四回目です。
今回は1992年を見ていきます。

1992年のコミケ

この年も夏(C42)と冬(C43)の2回開催されました。

↓当時のコミケカタログはこちら
 

画像では分かりにくいかもしれませんが、とても綺麗な発色です。
印刷技術も向上してるのでしょうか。

開催場所と参加人数

回数 季節 会場 日数 サークル 参加人数
C38 1990 幕張メッセ 2 13,000 230,000
C39   幕張メッセ 2 13,000 250,000
C40 1991 東京国際見本市会場(晴海) 2 11,000 200,000
C41   東京国際見本市会場(晴海) 2 14,000 200,000
C42 1992 東京国際見本市会場(晴海) 2 12,000 250,000
C43   東京国際見本市会場(晴海) 2 15,000 180,000

C42は今年の夏も話題になった『ジェノサイドコミケ』の回です。
この回は別イベントが併催だったため東館と西館が使えず
サークル数が減少しています。
一方、次のC43では全館開催になり過去最高の15,000サークルにまで増えています。

目次

92−1:カップリング表記数の推移
92−2:記法別ランキング
92−3:作品別ランキング
92−4:どの作品でどの表記?(クロス集計)
92−5:カップリングランキング
92−6:攻め受けマトリックス

92−7:【余談】カップリング表記以外で気になったこと
92−8:1992年まとめ

92−1:カップリング表記数の推移

1992年と、比較のために過去5年分をグラフにしました。

C42で15%ほど減ったあと、C43で45%増と大きく伸びています。
1991年と同じような動きですね。

カップリング表記サークル数の推移

いつも通り、参加サークル数との比較を見てみると↓


※表記サークル率=表記サークル数/全サークル数[%]

C42では、参加サークル数全体の減少に加えて
カップリング表記を書くサークルの割合(表記サークル率)も減っていることが分かります。
冬のC43では、それが一転。
前年の冬に引き続き「参加サークル数の増加×表記サークル率の上昇」の
相乗効果が起こっています。

92−2:記法別ランキング

1位〜5位

順位 C40
'91夏
表記数 構成比 C41
'91冬
表記数 構成比 C42
'92夏
表記数 構成比 C43
'92冬
表記数 構成比
1 × 378 26% × 563 28% × 494 29% × 945 38%
2 362 25% 462 23% 388 23% 502 20%
3 連結 285 20% 連結 385 19% 連結 298 17% 連結 396 16%
4 178 12% 211 11% 155 9% 185 7%
5 59 4% 110 6% 固有 120 7% 固有 125 5%

上位メンバーには変化なし。
91年にトップに踊りでた「×」表記が着実に勢力を拡大しています。

6位〜10位

順位 C40
'91夏
表記数 構成比 C41
'91冬
表記数 構成比 C42
'92夏
表記数 構成比 C43
'92冬
表記数 構成比
6 47 3% 固有 101 5% 93 5% 101 4%
7 固有 47 3% 62 3% 76 4% 100 4%
8 43 3% 58 3% 53 3% 94 4%
9 8 1% 6 0% 10 1% vs 6 0%
10 4 0% 5 0% vs 3 0% 6 0%

年別グラフ

グラフで見てみると、×表記の広がりがよく分かります。

 

92−3:作品別ランキング

続いて作品別のランキングを。
今回は大きな動きがありました。91年冬からの変化に注目です。

順位 C41
1991冬
表記数 構成比 C42
1992夏
表記数 構成比 C43
1992冬
表記数 構成比
1 トルーパー 1000 50% トルーパー 594 35% トルーパー 770 31%
2 キャプテン翼 265 13% キャプテン翼 226 13% サイバー 494 20%
3 聖闘士星矢 164 8% サイバー 164 10% キャプテン翼 232 9%
4 光GENJI 139 7% 光GENJI 156 9% 光GENJI 167 7%
5 シュラト 83 4% 聖闘士星矢 137 8% 聖闘士星矢 166 7%
6 銀河英雄伝説 37 2% シュラト 71 4% ドラゴンボール 83 3%
7 MADARA 28 1% ドラゴンボール 52 3% メタルジャック 48 2%
8 ドラゴンボール 27 1% 銀河英雄伝説 23 1% シュラト 44 2%
9 ミスター味っ子 19 1% 沈黙の艦隊 21 1% 銀河英雄伝説 36 1%
10 プロ野球 17 1% MADARA 21 1% 炎の蜃気楼 29 1%
グランゾート 17 1%
メタルジャック 17 1%

※サイバー:新世紀GPXサイバーフォーミュラ

ついに御三家陥落!

1985年のC翼政権発足から、87年に聖闘士星矢、89年にトルーパーが入閣し
カップリング界のビッグ3として盤石の安定政権を築いていた初代御三家ですが
ここでついにその一角を崩されます。

その新時代の革命児が『新世紀GPXサイバーフォーミュラ』。
30才以下の方にはなかなか通じなくて寂しいこの作品ですが、
F1ブームを背景に作られた近未来レースものです。
1991年の3月〜12月までTV放送されていました。
トルーパーと同じパターンで、メインターゲットにしていた子供にはウケずに打ち切り。
でも中高生以上には人気があったので、OVAに引き継がれたという作品です。

1991年の夏コミ(C40)からサークルカットには登場していましたが
カップリング表記はなく、表記が書かれるようになるのは冬コミ(C41)からです。(数サークル)
それがブレイクしたのがTV放送終了後の1992年。
「サイバーフォーミュラ他アニメ」という形で独立ジャンルになり
配置図を見る限り、キャプテン翼と比肩するサークル数になっています。

世代交代の気配を感じます。

カップリング表記の拡散

ジャンルの世代交代とともに、カップリング表記が
多様な作品で使われるようになってきています。
80年代終盤以降、カップリング表記はトップ3作品に集中していましたが
ここにきて少しづつその支配力が落ちてきています。

カップリング表記が使われている作品(ジャンル)数の推移を見ると↓

1991年冬・1992年夏と急上昇し、高止まりしています。
これらのことから、1992年のカップリング表記は
御三家からサイバーフォーミュラに移行しただけでなく、中央集権体制が崩れ
今までカップリング表記が使われてなかった作品へも幅広く普及し始めてることが分かります。

92−3−おまけ:カップリング表記が使われている作品一覧

補足として、実際にどんな作品でカップリング表記が使われていたのかを
ズラッと列挙してみます。(C43:1992年冬のデータ)

カップリング表記数としては、↓のようなジャンル構成になっています。
以下、表記数の多いジャンル順に見ていきます。(アニメはオリジナルアニメの意)

オリジナルアニメ(16作品)

作品名 表記数 制作会社
鎧伝サムライトルーパー 770 サンライズ
新世紀GPXサイバーフォーミュラ 494 サンライズ
機甲警察メタルジャック 48 サンライズ
天空戦記シュラト 44 タツノコプロ
魔神英雄伝ワタル 19 サンライズ
魔動王グランゾート 13 サンライズ
絶対無敵ライジンオー 10 サンライズ
ビックリマン 7 東映動画
伝説の勇者ダ・ガーン 3 サンライズ
太陽の勇者ファイバード 3 サンライズ
あしたへフリーキック 2 プロダクションリード
宇宙の騎士テッカマンブレード 2 タツノコプロ
ふしぎの海のナディア 1 ガイナックス
超音戦士ボーグマン 1 プロダクションリード
UFOロボ グレンダイザー 1 東映アニメーション
燃えろ!トップストライカー 1 日本アニメーション

時代はサンライズ!

トルーパー、サイバーに加えてメタルジャックも人気が出ています。
そこに加えてワタル&グランゾートに勇者/エルドランシリーズなどなど
どこを見回してもサンライズ祭りです。

漫画(34作品)

作品名 表記数 掲載誌
キャプテン翼 232 週刊少年ジャンプ
聖闘士星矢 166 週刊少年ジャンプ
ドラゴンボール 83 週刊少年ジャンプ
沈黙の艦隊 26 モーニング
幽遊白書 23 週刊少年ジャンプ
魍魎戦記MADARA 18 マル勝ファミコン
ミスター味っ子 11 週刊少年マガジン
ダイの大冒険 9 週刊少年ジャンプ
機動警察パトレイバー 7 週刊少年サンデー
SLAMDUNK 6 週刊少年ジャンプ
ドラえもん 5 学年別学習雑誌
孔雀王 4 週刊ヤングジャンプ
らんま1/2 4 週刊少年サンデー
美少女戦士セーラームーン 4 なかよし
はじめの一歩 2 週刊少年マガジン
バスタード 2 週刊少年ジャンプ
炎の闘球児 ドッジ弾平 2 コロコロコミック
きんぎょ注意報! 2 なかよし
バビル2世 1 週刊少年チャンピオン
サイレントメビウス 1 月刊コミックコンプ
オフサイド 1 週刊少年マガジン
少年アシベ 1 週刊ヤングジャンプ
天より高く! 1 週刊少年ジャンプ
うしおととら 1 週刊少年サンデー
南国少年パプワくん 1 月刊少年ガンガン
ここはグリーン・ウッド 1 花とゆめ
AKIRA 1 週刊ヤングマガジン
シュート! 1 週刊少年マガジン
ゲゲゲの鬼太郎 1 週刊少年マガジン
好派!蘭丸応援団 1 プリンセス
子供たちは夜の住人 1 メヌエット
ちびまる子ちゃん 1 りぼん
ファントム無頼 1 週刊少年サンデー増刊号
帯をギュッとね! 1 週刊少年サンデー

漫画界ではジャンプが強いですね。
それでも80年代のキャプテン翼・聖闘士星矢全盛期に比べると
勢いがなくなっている印象です。

漫画作品のほとんどが、アニメ化をきっかけに
カップリング表記を急増させています。
幽遊白書はこの年の10月から、スラムダンクは93年の10月から
アニメが始まるので、ここからの変化が楽しみです。

パトレイバー・うしとら・らんま・帯ギュなどを抱えるサンデー作品は
サークル数はあるものの、カップリング表記を書いているサークルが少ない印象です。

音楽(17グループ)

グループ名 表記数
光GENJI 167 ジャニーズ
B'z 15  
少年隊 13 ジャニーズ
SMAP 11 ジャニーズ
BUCK-TICK 8  
TM NETWORK(TMN) 8  
忍者 2 ジャニーズ
筋肉少女帯 2  
THE ALFEE 2  
TOKIO 1 ジャニーズ
シブがき隊 1 ジャニーズ
SOFT BALLET 1  
KATZE 1  
コンディション・グリーン 1  
電気グルーヴ 1  
オフコース 1  
その他 3  

7割が光GENJI、8割がジャニーズです!

ジャニーズ以外ではB'zとBUCK-TICKが頑張っています。
この集計ではクロスオーバー(グループを跨いだカップリング)を除外しているので
見えていませんが、「イナ×ウツ」や「イナ×テツ」(B'zとTMNのクロスオーバー)もありました。

それと、今回初めて知った『SOFT BALLET(ソフトバレエ)』というバンドですが
メンバーが全員、雑誌『JUNE』のグラビアモデルだったそうです。
SOFT BALLET - Wikipedia

小説(14作品)

作品名 表記数 文庫・掲載誌
銀河英雄伝説 36 徳間ノベルズ
炎の蜃気楼 29 コバルト文庫
アルスラーン戦記 14 角川文庫
御手洗潔シリーズ 4 講談社(単行本)
三国志 3 多数
ハイスクール・オーラバスター 2 コバルト文庫
ロードス島戦記 1 角川スニーカー文庫
タクミくんシリーズ 1 角川ルビー文庫
天国まで何マイル 1 イマージュ・ブックス
破妖の剣 1 コバルト文庫
LOVER BOY LOVER GIRL 1 ムービック新書
少年アリス 1 河出文庫
間の楔 1 JUNE連載
亜洲黄龍伝奇 1 トクマ・ノベルズ

田中芳樹先生強し!
この回にはありませんが、90年・91年では『創竜伝』でも
カップリング表記が使われていました。

そして満を持して登場の『炎の蜃気楼』!
聖地巡礼といえばこの作品というイメージがあります。
1巻の発売は1990年ですが、カップリング表記が登場するのはこの回から。
「直江×高耶」が人気です。

個人的に注目してるのは『間の楔』という作品。
読んだことはないのですが、サークルカットを見ていくと
いろんな所でこの名前を目にします。
サムライトルーパー、銀河英雄伝説、聖闘士星矢などなど
いろんなジャンルのサークルカットに「間の楔もあります」
と書いてあるパターンが多いです。
作品名が書かれるだけでカップリング表記数は少ないものの、
やおい・BL・JUNE界隈で大きな影響力を持つ作品のようです。

ゲーム(6作品)

グループ名 表記数 ゲームジャンル
ファイアーエムブレム 18 シミュレーション
ストリートファイター2 8 格闘
ファイナルファンタジー4 6 RPG
ロマンシング・サガ 5 RPG
ドラゴンクエスト4 4 RPG
イース 1 RPG

「かーってくるぞと勇ましく〜♪」な手強いシミュレーションがトップです!
初代の『暗黒竜と光の剣』が1990年に発売、1992年春に『外伝』が発売されています。
外伝が出たとはいえ、カップリングには外伝キャラはなく
「オグ×ナバ」(傭兵コンビ)「カイン×アベル」(赤緑騎士)「ジョルジュ×ゴードン」(弓兵師弟)や
「ジュリ×レナ」(ノーマルカップリング)が人気です。
この後に続く94年の『紋章の謎』、96年の『聖戦の系譜』の動向も楽しみです。

スト2は91年のアーケード版発売以降、春麗のサークルカットは見かけていましたが
カップリング表記が出てくるのはこの年からです。
ちょうど92年の6月にスーパーファミコン版が発売されているので
その影響があるのかもしれません。(当時のゲーセンはまだ女性が入りにくい空間だったと思います)

スクエニ系RPGも強いです。(当時は別会社でしたが)
ドラクエ4は「ピサロ・ロザリー」「クリフト&アリーナ」に加えて
「男勇者×女勇者」などノーマルカップリングが多いですね。

その他(15分類)

作品 表記数 分類
必殺シリーズ 2 ドラマ
太陽にほえろ! 1 ドラマ
暴れん坊将軍 1 ドラマ
あぶない刑事 1 ドラマ
熱血!新入社員宣言 1 ドラマ
木村家の人びと 1 邦画
鳥人戦隊ジェットマン 1 特撮
オリジナル 8 オリジナル
プロ野球 15 スポーツ
F1 2 スポーツ
お笑い 6 お笑い
声優 2 声優
俳優 2 俳優
歴史:戦国 4 歴史
歴史:幕末 4 歴史

表記数が少ないものをまとめて。
この頃はまだ特撮のカップリングは少ないですね。
プロ野球は80年代から根強い人気。
この時期は「AN」と表記される「阿波野×西崎」のカップリングが多いです。
1986年のドラフト1位コンビですね。

そしてこの頃からウッチャンナンチャン、ダウンタウンをはじめとした
お笑い関連にもカップリング表記が広がってきています。

92−4:どの作品でどの表記?(クロス集計)

1992年 × 連結 固有 vs
鎧伝サムライトルーパー 480 295 375 110   41 29 21 2  
新世紀GPXサイバーフォーミュラ 385 80 56 18 2 14 78 14 6 1
キャプテン翼 52 98 147 91 19 18 12 10 4  
光GENJI 26 50 47 18 175 1 1 4 1  
聖闘士星矢 68 134 3 33 1 38 5 15    

期待の新星サイバーフォーミュラはダントツで「×」を使用。
これまで頑なに「×」を使わなかったキャプテン翼も少しずつ使用率が増えています。
そんな中、聖闘士は「ハート」で闘い続けています。

特徴的なのが「光GENJI」で、圧倒的な「固有」表記率を見せています。
80年代から続く「光」や「A2」に加えて「S2」や「K2」といった新たな固有表記も出てきています。
こういった「公式が提示していない固有表記」を使うにはファンの間で
相当な情報共有(認識共有)が出来てないといけないと思います。
ものすごい結束力を感じます。

補足:×を使っている作品数の推移

「×」表記を多用するサムライトルーパーがカップリングの半数以上を支配した91年以降
「×」表記が他ジャンルへも幅広く普及していく様子が分かります。
この頃に登場した新しい作品のほとんどが「×」表記を使用してることからも
「表記方法が固まってないカップリングは、とりあえず×で書けば分かる」ような安心感すら感じます。

[92−3:作品別ランキング]で書いた通り、サムライトルーパーで活動していたサークルが
単純にサイバーフォーミュラに移行したわけではなく、幅広いジャンルに拡散していったことで
「×」表記という種子をカップリング界全体にばらまいたように思えます。
(あくまで個人の感想ですが)

92−5:カップリングランキング

90年で「当×征」に奪われた首位の座を91年に奪い返した「征当」ですが
サイバーフォーミュラが出てきた92年は激動の予感!

1992年夏(C42)

順位 C42 [1992年夏] 表記 表記数 作品
1 A2 固有 49 光GENJI
2 征当 連結 38 鎧伝サムライトルーパー
3 当征 連結 29 鎧伝サムライトルーパー
4 固有 28 光GENJI
5 当×征 × 27 鎧伝サムライトルーパー
6 征×当 × 22 鎧伝サムライトルーパー
7 健小次 連結 21 キャプテン翼
8 伸遼 連結 19 鎧伝サムライトルーパー
9 グー×ハー × 16 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
  新条受 16 新世紀GPXサイバーフォーミュラ

光GENJIでした!
この統制の取れっぷり。素晴らしいです。

新人王のサイバーフォーミュラは早速2種類ランクインしています。
「受」表記がトップ10に来るのは90年代初。
新条さんの受キャラっぷりが伺えます。

1992年冬(C43)

順位 C43 [1992年冬] 表記 表記数 作品
1 征当 連結 68 鎧伝サムライトルーパー
2 グー×ハー × 56 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
3 A2 固有 53 光GENJI
4 伸×遼 × 40 鎧伝サムライトルーパー
5 当征 連結 37 鎧伝サムライトルーパー
6 征×当 × 36 鎧伝サムライトルーパー
  ブー×修 × 36 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
8 加賀×ハヤト × 30 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
9 健小次 連結 27 キャプテン翼
  グーハー 連結 27 新世紀GPXサイバーフォーミュラ
  固有 27 光GENJI

ここでまた抜き返す「征当」!

さすが王者。意地を見せました。
「A2」も数としては伸びてるので、それ以上の伸びを見せたのが
「征当」と「グー×ハー」だったということですね。

サイバーフォーミュラはここで4表記を送り込んで
トップ集団に食い込んできました。
「征当」に対する「伸遼」のように、同じサークルで「グー×ハー」と「ブー×修」を
書いてるところが多いです。
こういうペアリングも改めて調べてみたいところです。

92−6:攻め受けマトリックス

今回はもちろんサイバーフォーミュラを見てみます!
1992年の合計です。(表記数の少ないキャラは除いています)

さきほどのカップリングランキングで出た「グー×ハー」の
「グーデリアン×ハイネル」が最多です。
その影響で受け数はハイネルがトップですが、相手になる攻キャラは2キャラのみということで
総受け系のキャラではなく、特定の組み合わせで力を発揮するタイプのようですね。

逆に相方のグーデリアンは5キャラを攻めているという浮気っぷり。
数は少ないので、本命ははっきりしていますが。

ここに登場していないヒロインの菅生あすかさんですが
主人公とのカップリングが若干あるものの数は少ないです。
「ハヤトの正妻は加賀でしょ?」という勢いを感じます。

一方で新条とみきの仲は歓迎されているようです。
みきさんは新条一筋で清々しいです。

92−7:【余談】カップリング表記以外で気になったこと

今回は特に「92年が」ということではないですが
90年代前半のサークルカットを見る上での注意点を挙げてみたいと思います。

例えば「P」と書いてあった場合、「プロデューサーさん!」(CV:天海春香)で
再生される人が多いと思いますが、この時代では「ピッコロさん」(ドラゴンボール)のことです。

各作品の登場時期を知ってる方には自明なことばかりですが
一瞬違う意味に捉えてしまう単語などを並べてみます。

「リョーマ」

× 越前リョーマ(テニスの王子様)
○ 龍王リョウマ(天空戦記シュラト)

「まだまだだね」とか言ってるテニヌプレイヤーではなく
「負けが込んでる八部衆最強の男」龍王リョウマさんです。
テニプリが1999年からなので、10年くらい時期がズレてますね。

「G・W」

× 新機動戦記ガンダムW
○ ここはグリーン・ウッド

ウイングが始まる95年まではこの認識で間違いないです。

「ケン」

△ ケン(ストリートファイター2)
○ 神崎ケン(機甲警察メタルジャック)

基本的には配置ジャンルで分かりますが、判断に迷うときは
カップリング表記の普及率からいって神崎ケンの可能性が高いです。

「カイン」

カイン×アベル → ファイアーエムブレム
カイン×セシル → ファイナルファンタジー4

同じゲームジャンルにあるので時々見間違える「どちらのカインさん」です。
これからテイルズシリーズとか出てくると、名前が激しくかぶり始めるので怖いですね。

「天龍」

× 「フフ怖いか」(艦隊これくしょん)
○ 天王ヒュウガ×龍王リョウマ(天空戦記シュラト)

このカップリング表記を見るたびに「フフ怖いか」が再生される身にもなってください!
ということで書いておきます。

他にもサイバーフォーミュラの「城之内」を見るとレッドアイズ召喚しそうだなとか
「虎」って見ると虎王より前に虎徹さんが出てくるようになったりとか
時代によって言葉の意味が変化していくのが面白いですね!

おまけ:セーラームーンが単体ジャンル化した結果

C43からセーラームーンが配置図に書かれるようになったのですが↓


[コミックマーケットカタログ43 P.367より抜粋]

この配置は!

92−8:1992年まとめ

いつも以上に長々と書いてしまいましたが
ザックリとまとめます。

・「×」表記のメジャー化
・カップリング表記を使う作品が100を超える
・サイバーフォーミュラが御三家の一角を崩す
・オリジナルアニメの隆盛
・時代はサンライズ
・独自の世界を構築してる光GENJI

92年はカップリング表記、特に×表記が普及してきた年でした。
急伸してきたサイバーフォーミュラがこのままトルーパーを抜き去るのか
93年も楽しみです。

ではでは。

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