【2017年冬(C93)】カップリング表記ランキング(速報版)

夏冬恒例、もうすぐ開催される冬コミ(C93)のカップリング表記ランキングを出してみました。普段はコミケの新刊に載せてますが、今回は参加してないのでここに。
いつも通り、コミケカタログのサークルカット(32,214枚)から目視でカップリング表記を抜き出して集計しています。
今回は調査にだいたい120時間くらいかかっています。

【目次】

作品別表記数ランキング

まだ暫定値ですが、C93はカップリング表記が12,583表記ありました。
まずは作品別に見ていきます。

TOP10

順位 作品名 表記数 構成比 増減 前回順位
1 刀剣乱舞 996 7.9% -303 1 
2 ユーリ!!! on ICE 539 4.3% -82 2 
3 Fate/Grand Order 515 4.1% 289 10↑
4 おそ松さん 416 3.3% 4 4 
5 ハイキュー!! 383 3.0% -74 3↓
6 黒子のバスケ 356 2.8% -7 5↓
7 TIGER&BUNNY 230 1.8% -29 7 
8 名探偵コナン 209 1.7% 7 12↑
9 進撃の巨人 194 1.5% -62 8↓
10 弱虫ペダル 181 1.4% -91 6↓

注目はなんと言っても「刀剣乱舞5連覇!」です。2015年の冬コミ以降、圧倒的大差で首位を独走しています。ただ今年に入って急激に数が減っているのは気になるところです。1月からの花丸2期を踏まえて来年の夏はどうなるか。

前回初登場で2位だった『ユーリ!!! on ICE(YOI)』が今回も2位をキープ。1クールアニメでこの人気は歴史的にもかなりレアケースだと思います。あととりあえずカップリング人気の偏りがすごいです。詳しくはのちほど。

そして今回大注目なのが『Fate/Grand Order(FGO)』。ジャンルとしては「TYPE-MOON」に括られてはいますが、今回約500サークル増と完全にブレイクしています。歴史的にカップリング表記があまり多くないジャンルでしたが、ここにきて約300表記増とかなり表記数も伸びてきました。このあたりの詳しい話はこの記事の最後に書いてある「FGO評論同人誌」の方で語っていますのでよろしくお願いします。

と、一旦無難にまとめてみましたが、プレイしてる方はご存知の通り、『FGO』は1キャラに対して「クラス名」「真名」「愛称」などなど呼び方は多いわ、別属性のキャラまで出てくるわ、ただの「ぐだ」だと性別が分からないわでカップリング表記が絶賛大混乱中です。まだ日が浅いせいか、表記の統一感/Zeroですね。そしてそんなケイオスな状態から色々と面白い表記も生まれてきています。詳しくは「FGO評論同人誌(略。

直近5年の推移

今回上位作品を中心にここ5年間の表記数をグラフにしてみました。
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ここ数年の流れとして、2015年に『刀剣乱舞』が現れるまでは、『黒バス』『ハイキュー!!』『弱ペダ』といった高校生スポーツ漫画に人気が集まっていました。
これが『刀剣乱舞』以降、アニメの『おそ松さん』『YOI』にゲームの『FGO』と、まるっと傾向が変わってきています。
しかも今年になってその差がぐぐっと詰まってきて、グラフがとても見づらくなってきました。まさに群雄割拠ですね。雄が群れると書いて群雄。

11-30位

参考までに11位以降も少し。

順位 作品名 表記数 構成比 増減 前回順位
11 あんさんぶるスターズ! 178 1.4% -72 9↓
12 オリジナル(一次創作) 176 1.4% 34 17↑
13 艦隊これくしょん 171 1.4% -39 11↓
14 Free! 168 1.3% 29 20↑
15 ヘタリア 162 1.3% -23 14↓
16 アイドルマスターシンデレラガールズ 155 1.2% 16 21↑
17 血界戦線 149 1.2% 9 19↑
  僕のヒーローアカデミア 149 1.2% 30 22↑
19 ワールドトリガー 129 1.0% -60 13↓
20 アイドリッシュセブン 121 1.0% -28 15↓
  ラブライブ!サンシャイン!! 121 1.0% 30 34↑
  東方Project 121 1.0% 10 25↑
順位 作品名 表記数 構成比 増減 前回順位
23 銀魂 117 0.9% -24 18↓
24 鉄血のオルフェンズ 108 0.9% 12 32↑
25 A3! 105 0.8% 95 159↑
26 Fate/stay night 102 0.8% -9 23↓
27 ラブライブ! 97 0.8% 8 35↑
28 グランブルーファンタジー 96 0.8% 4 33↑
29 鬼灯の冷徹 93 0.7% 33 39↑
30 NARUTO 88 0.7% -8 31↑

近年はオリジナル作品でも積極的にカップリング表記が書かれるようになってきました。「おねショタ」「おにショタ」あたりをカップリング表記とみなすかは人それぞれだと思いますが、「生徒×先生」や「ヤクザ×リーマン」などオリジナル作品はキャラ名でなく属性で表記を書かざるをえないので、ここではカップリング表記とカウントしています。

興味深いのは『ラブライブ!』から『ラブライブ!サンシャイン!!』への移行が行われつつも『ラブライブ!』自体の表記数も伸びているところです。相乗効果でしょうか。2期最終回楽しみです。

作品別表記増加数ランキング

ここでは表記の増加数に注目したランキングを出してみました。
この冬、勢いのある作品です。

TOP10

順位 作品名 C92 C93 増加数
1 Fate/Grand Order 226 515 289
2 A3! 10 105 95
3 アイドルマスターSideM 27 75 48
4 ドラゴンクエスト11 39 39
5 オリジナル 142 176 34
6 鬼灯の冷徹 60 93 33
7 けものフレンズ 2 32 30
  ラブライブ!サンシャイン!! 91 121 30
  僕のヒーローアカデミア 119 149 30
10 Free! 139 168 29

ぶるぶるぶるーみんぐ!(A3!の挨拶)
FGOは上で語ったのでおいておくとして、『A3!』の勢いがすごいですね。この冬一気に開花しました。『A3!』は第一部まで完結してるんですが、かなりストーリーがよくキャラクター間の絆もしっかり描かれているので、これからも楽しみな作品となっています。個人的にはヒロインが学生でなく、わりとしっかり目の社会人(風)なのが好印象です。推しは左京さんとたるちです。

あとは今まさに315のアニメが放送中の『アイドルマスターSideM』。一番人気はBeitの「恭みの」です。今回の冬コミは申込みがアニメ前だったので、アニメでフィーチャーされたドラスタやHigh×Joker、そしてJupiterの天ヶ瀬冬馬とドラスタの天道輝のWセンターなどなど夏にどれだけ増えてくるか楽しみです。

ドラクエ11はカミュ主と主カミュ。

11-20位

順位 作品名 C92 C93 増加数
11 キラキラ☆プリキュアアラモード 1 21 20
12 BanG Dream! 19 19
  ゴールデンカムイ 9 28 19
  宇宙戦隊キュウレンジャー 19 19
  仮面ライダーエグゼイド 14 33 19
16 アイドルマスターシンデレラガールズ 139 155 16
17 ファイナルファンタジー15 68 82 14
18 文豪とアルケミスト 29 42 13
19 Fate/Zero 36 48 12
  コードギアス 38 50 12
  鉄血のオルフェンズ 96 108 12

毎年恒例、新しいプリキュアと新しい戦隊と新しいライダーが増えてます。
異色なのは『ゴールデンカムイ』でしょうか。4月からアニメが開始するので来年の冬コミに注目です。あと今回『文豪ストレイドッグス』(34表記)とのBunGO対決を制した『文豪とアルケミスト』もじわじわ来てます。
そして今増える『コードギアス』。

カップリング表記ランキング

「カップリング表記」のランキングです。「カップリング」のランキングではありません。
どう書かれてるかに注目です。

TOP10

順位 表記 表記数 構成比 作品名
1 ヴィク勇 274 2.2% YOI
2 兎虎 76 0.6% タイバニ
3 勇ヴィク 54 0.4% YOI
4 一カラ 51 0.4% おそ松さん
5 赤安 49 0.4% コナン
6 みかつる 45 0.4% 刀剣乱舞
7 エルリ 40 0.3% 進撃の巨人
8 ヴィクトル×勇利 37 0.3% YOI
9 カラ一 34 0.3% おそ松さん
10 おそチョロ 33 0.3% おそ松さん

「ヴィク勇」。以上!

2位と200表記差とか異常事態ですね。さすがHistory makerです。今まさに歴史作ってます。見ての通り現在のカップリング表記の主流は名前を省略して繋げる「連結表記」なのですが、ヴィク勇はあまりに物量が多すぎて「×表記」もTOP10に入ってくるという恐ろしさです。

余談ですが、うちのキーボードは調査中あまりに「ヴィク勇」を打ちすぎたせいで、「v」って入れるだけで「ヴィク勇」って変換されるようになりました。ちょっと意味が分からない量ありますね。(もちろんいい意味で)

そして本放送から6年以上経つにも関わらず、これだけ愛され続ける「兎虎」もすごいです。

11-20位

順位 表記 表記数 構成比 作品名
11 まこはる 31 0.2% Free!
12 オタユリ 29 0.2% YOI
13 リヴァエレ 28 0.2% 進撃の巨人
14 スティレオ 27 0.2% 血界戦線
  みかんば 27 0.2% 刀剣乱舞
16 つるいち 26 0.2% 刀剣乱舞
17 岩及 24 0.2% ハイキュー!!
  白鬼 24 0.2% 鬼灯の冷徹
19 黄黒 23 0.2% 黒バス
  クラステ 23 0.2% 血界戦線
  轟出 23 0.2% ヒロアカ
  ユリ勇 23 0.2% YOI

作品別では5位の『ハイキュー!!』がここで初めて登場。かなり表記が分散していることが分かります。ただ、『ハイキュー!!』ジャンルはかなり参加者の練度が高く、同じカップリングなら表記をかなり揃えてきている(例えば岩泉×及川なら8割以上が「岩及」)ので、表記のブレというよりカップリング人気自体が分散していると考えられます。毎回ブロックを3枚合わせてくるイメージですね。強いです。

カップリングランキング

こちらは様々な「カップリング表記」を「カップリング」単位に集計したランキングです。
純粋にカップリング人気を見る場合はこちら。不純に見る場合もこちら。

TOP10

順位 左側 右側 表記数 構成比 作品名
1 ヴィクトル 勝生勇利 348 2.8% YOI
2 バーナビー 虎徹さん 135 1.1% タイバニ
3 勝生勇利 ヴィクトル 75 0.6% YOI
4 赤井秀一 安室透 65 0.5% コナン
5 一松 カラ松 64 0.5% おそ松さん
6 エルヴィン リヴァイ 63 0.5% 進撃の巨人
7 カラ松 一松 55 0.4% おそ松さん
8 三日月宗近 鶴丸国永 52 0.4% 刀剣乱舞
9 リヴァイ エレン 50 0.4% 進撃の巨人
10 橘真琴 七瀬遙 43 0.3% Free!

はい「ヴィク勇」!解散!

圧倒的ですね。350近いですが、これヴィク勇クラスタの方はどれだけ買えばいいんでしょうか。凄まじい物量です。単独ジャンルのYOI島だけでなく、他のジャンルのサークルさんにも18表記あったので、どういうルートで回るかが鍵になりそうです。

そして同じ一途組の兎虎さんは、昨年まで8連覇以上してる厚い実績と信頼を感じる安定感。今回もトップは譲ったものの3桁表記で2位をキープ。『タイバニ』は全体で230表記なはずですが、そのうち135表記(約6割)を占めてるとか流石ですね。

そして赤安。「沖安」とは区別している空気を感じたので、「赤井秀一×安室透」と「沖矢昴×安室透」は別集計です。「赤井秀一×降谷零」「ライ×バーボン」も同様です。そのあたりを合算すると3位の勇ヴィクに並ぶかんじですね。集計難しい!

11-20位

順位 左側 右側 表記数 構成比 作品名
11 おそ松 チョロ松 39 0.3% おそ松さん
12 三日月宗近 山姥切国広 35 0.3% 刀剣乱舞
13 白澤 鬼灯 33 0.3% 鬼灯の冷徹
  エレン リヴァイ 33 0.3% 進撃の巨人
  オタベック ユリオ 33 0.3% YOI
16 鶴丸国永 一期一振 32 0.3% 刀剣乱舞
17 枢木スザク ルルーシュ 31 0.3% コードギアス
  スティーブン レオナルド 31 0.3% 血界戦線
  虎徹さん バーナビー 31 0.3% タイバニ
  黄瀬涼太 黒子テツヤ 31 0.3% 黒バス

ここも見どころが多いのですが、気になるのは「スザルル」です。このランキングで見るのは何年ぶりでしょうか。来年も映画が2作控えているので動向に注目です。

この攻めがすごい!

恒例、攻めキャラ別のランキングです。その攻めキャラの一番多い相手(受け)とその割合も出しています。

順位 攻めキャラ 表記数 最多相手 構成比
1 ヴィクトル 359 勝生勇利 97%
2 バーナビー 139 虎徹さん 97%
3 三日月宗近 132 鶴丸国永 39%
4 カラ松 105 一松 52%
5 一松 96 カラ松 67%
6 鶴丸国永 90 一期一振 36%
  燭台切光忠 90 へし切長谷部 31%
8 赤井秀一 87 安室透 75%
9 勝生勇利 82 ヴィクトル 91%
10 おそ松 78 チョロ松 50%

ショート攻めプログラム1位、ヴィクトルさんの気になるお相手は・・・!もちろん勝生勇利さんなんですけど、これがヴィクトル攻めの97%が勇利受けという圧倒的一途さです。素晴らしい。浮気したら刺される勢いを感じます。

そして2位のバーナビーさんも例年大安定の虎徹さん97%濃縮還元です。浮気したらハンドレッドに蹴られます。

ここまで一途路線で来て、突然39%とガクッと下がるのが三日月おじいちゃんです。気が多すぎますね。普通にみんなに刺されそうです。

同じ人気のある攻めでも色んなタイプがいますね!(ふわっとしたまとめ)

この受けがすごい!

こちらも恒例、受けキャラ別のランキングです。一番多い相手(攻め)と、その割合も出してます。

順位 受けキャラ 表記数 最多相手 構成比
1 勝生勇利 388 ヴィクトル 90%
2 虎徹さん 152 バーナビー 89%
3 黒子テツヤ 133 黄瀬涼太 23%
4 カラ松 107 一松 60%
5 鶴丸国永 103 三日月宗近 50%
6 リヴァイ 97 エルヴィン 65%
7 一松 95 カラ松 58%
8 山姥切国広 93 三日月宗近 38%
9 ヴィクトル 80 勝生勇利 94%
10 ぐだ子 79 ロマニ 13%

受け人気1位は勝生勇利選手!最多相手はもちろんヴィクトルですが、ユリ勇やピチ勇などもありヴィクトル攻めに比べて若干構成比は下がっています。それでも9割は圧巻。

それと対照的なのは3位の黒子受けです。最多相手の黄瀬でもわずか23%と多方面から愛されまくりで「総受けキング」の名をほしいままにしています。まさに「キセキの受け」と言えるでしょう。

そしてさらにその上をいく「総受けクイーン」が『FGO』の女性主人公「ぐだ子」です。最多相手のロマンでもわずか13%。調べてみたところ、攻めに指定されているキャラクターは総勢34人でした。逆ハーレムすぎますね。愛されてます。あと相手はマシュとかきよひーもいるので全員男子ではありません。念のため。もちろんアストルフォもいます。

ハロウィンイベントでは新アサが大きく株を上げたと思うので、今後のイベントや第2部の展開も含めてこれからも動向が楽しみです。あとカップリング表記を書く時は「ぐだ男」「ぐだ子」もしくは「ぐだ♂」「ぐだ♀」の記載をして頂けると大変助かります。よしなに。

モブ人気ランキング

最後にちょっとおまけで、いわゆるモブ(おじさんかどうかは問わない)に人気のキャラクターランキングを出してみました。もちろん『モブサイコ100』の茂夫くんは対象外です。

順位 受けキャラ 表記数 作品名
1 ジョーカー(主人公) 4 ペルソナ5
2 黛千尋 3 黒子のバスケ
3 枢木スザク 3 コードギアス
4 虎徹さん 2 タイバニ
5 [該当者多数] 1  

完全に予想外のダークホース、ペルソナ5の主人公がトップ!ペルソナ5はやってないので分からないのですが、この主人公はそんなにモブ映えするキャラなんでしょうか。情報お待ちしております。

そして夏コミまではみんなの虎徹さんがトップでしたが、原作完結から時間の経った今になって黛くんとスザクの身に一体何があったのでしょうか。情報は募集してません。

それと本当に余談なんですが、「モブ宗」って表記が『Free!』の山崎宗介と『あんスタ』の斎宮宗で被ってるのが面白かったです。(「もぶそう」と「もぶしゅう」で読みが違う)

2017年冬コミ(C93)まとめ

・『刀剣乱舞』5連覇!
・『FGO』快進撃!
・「ヴィク勇」の数がおかしい

個別作品の分析はまた別の記事で。
冬コミ楽しみですね!

C93宣伝

サークル「N能研全国1位」さんのFGO評論同人誌「マスターズ・デイズ〜〇〇から見たFGO〜」にインタビューで参加しています。「コミケとカップリング表記とFGO」をテーマに、グラフやデータを並べてわりとガチ目に語っていますので、よろしければ。
冬コミ1日目:東D37a 「N能研全国1位」
コミケWebカタログ(N能研全国1位)
■ブログ記事■
ao8l22.hatenablog.com

同人誌紹介

これまで調べたカップリング表記情報は『カップリング表記データブック』という同人誌にまとまっていますので、よろしければこちらも。
◆COMIC ZINさんに委託中です◆
http://shop.comiczin.jp/products/list.php?category_id=5603