日商簿記3級を受験しました

11/20に開催された日商簿記検定の3級を受けてきました。
まだ記憶に新しいうちに情報をまとめておこうと思います。

【注意事項】結果発表は12月なので「受かりました」系のレポではありませんm(__)m
⇒【2012/02/22 追記】書き忘れていましたが、合格しました!(満点でした)

1.勉強方法

私はやりたい時にガッツリやるタイプなので、時間の融通が利く独学を選択しました。
合格レポなどを見ても3級は十分独学で行けそうです。
ただ簿記は特殊な世界なので、ベースのない状態から基本ルールを理解して
慣れるまでには時間がかかります。
そういう意味でお金より時間を重視したいなら
考え方、解き方のコツを効率よくゲット出来る専門学校もいいかなと思います。

2.勉強期間

ネットで見ると、「ガッツリ1週間」「仕事の合間に1・2ヶ月」あたりが標準でしょうか。

私の場合は、転職活動の関係で本格的に始めたのは今月の10日から。
ちょうど10日間ですね。
この期間は働いてなかったので時間は多目に取れてました。
概算でトータル30時間程度だと思います。

3.勉強の流れ

私は↓の流れで勉強しました。

・会計の基礎的な本を読んで考え方を押さえる

・テキストをざーっと流し読みして基礎を押さえる

・過去の実際の試験を1回分やってみて目標地点を確認する

・試験で出来なかった所のテキストを読み直して理解する

・ひたすら過去問を解く

会計の基礎的な本を読んで考え方を押さえる

私は株をやってるので、貸借対照表とかを読んだりはしていましたが
簿記の基本的な考え方は全く知りませんでした。
成果物の財務諸表だけ見る係。

簿記はその財務諸表の作り方ということで
そこには独自の考え方、ルールがあります。
問題を解くのに直接必要というわけではないですが
簿記に対する理解を深めるためにも、会計の基本的な考え方を知っておくと便利です。

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか』『食い逃げされてもバイトは雇うな』の著者
会計士界のゆるキャラこと、山田真哉さんの本です。
なかなかとっつきにくい会計について、とても分かりやすくゆるゆると解説されています。
「この本で勉強する!」というより、
まずは力を抜いて読み物として楽しむのがいいかなと思います。

まず一冊読むのであれば『世界一感動する』の方がオススメです!

テキストをざーっと流し読みして基礎を押さえる

テキストは一杯ありますが、個人的なオススメはこちら↓

※【2014/01/06】リンクを最新版に修正

全てかわいい(?)イラスト付きで、物やお金の流れが分かりやすいです。
ここでは細かいことはおいておいて、
「どんな仕訳のパターンがあるか」
「伝票とは?」
「決算手続の流れ」
くらいをザックリ押さえておけばいいと思います。
この後に時間をかけたいのでここは流す感じで。

過去の実際の試験を1回分やってみて目標地点を確認する

問題集を買って、前回か前々回くらいの試験をやってみればOKです。
私は20点位しか取れませんでした。。。

ここで大切なのは、「目標地点を確認すること」。

「なにが出来れば合格できるのか」をイメージしておきます。

試験で出来なかった所のテキストを読み直して書きまくる

どんな知識が必要か分かったので、テキストを辞書的にひいてみます。
そこで重要なのは、読むだけではなく「必ず紙にシャーペンで書く」こと。
実際に書くことで記憶が定着しますし、
本番はシャーペンで手書きなので、慣れておく意味もあります。

ひたすら過去問を解く

あとはこの繰り返しです。
問題集で過去問をやりながら適宜テキストを参照します。

※【2014/01/06】リンクを最新版に修正

今回は↑これを使いました。
過去問をパターン別に分類して掲載してくれているので
効率よく勉強が出来ます。
付録に実際の試験形式で2回分付いてくるのも便利です。

簿記の問題は1問にかかる時間が長いので
問題集を全問やることは出来ませんでした。
その時、どこに焦点を絞るかは考え方次第だと思います。(後述します)

4.日商簿記検定の特徴

・制限時間:2時間
・合格条件:100点満点中70点以上
・合格率:20~50%
・大問は5問
・配点:目安時間
 第1問:20点:10分
 第2問:8~12点:10分
 第3問:28〜32点:40分
 第4問:8~10点:10分
 第5問:28〜32点:40分

第3問と第5問の配点が高いですね。
以下にそれぞれの大問別の特徴をまとめます。

第1問:20点:10分

基本の仕訳問題です。

簿記の基本は仕訳です。
仕訳が出来ないとこれ以降の問題も出来ないので
ここは完璧に出来るようにしておきたいです。

基本なので問題としては非常に簡単です。
しかも1問4点で合計20点と配点が高いので
このボーナス点をもらっておくと後がとても楽になります。

1問にかかる時間も1、2分なので、
間違えた問題を中心に、出来るだけ繰り返し解くのがいいと思います。
私は電車とかの移動中にAndroidアプリで練習していました。

↓おすすめアプリ(Android版)
パブロフ簿記3級lite 日商簿記仕訳対策 2021年度版 - Google Play のアプリ
パブロフ簿記3級 日商簿記仕訳対策 2021年度版 - Apps on Google Play

↓App Store(iPhone等)

パブロフ簿記3級lite

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パブロフ簿記3級

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  • 教育
  • ¥730

解説が丁寧でとてもいいアプリです。
ひたすら仕訳できます。
Liteが無料版なのでまずはこれから。
私は有料版も買いました。

※【2014/01/06追記】本にもなりました。すごい読みやすいのでオススメです

第2問:8〜12点:10分

「補助簿の記入」「勘定の記入」の問題です。
配点は少ないものの、「知らない問題が出ると0点」のような事態に
なることがあるので注意です。

問題を解くのに大した時間もかからないので
パターン別問題集で全問解いておくのがオススメです。

第3問:28〜32点:40分

簿記3級の本丸、第3問です。
試算表の問題がメインです。
まれに財務諸表の問題が出ているようですが余裕があればやっておくレベルだと思います。

この問題が一番時間がかかります!

【第3問のポイント】
・難しく見えますが、必要な知識は『仕訳』と『自分なりの集計方法』のみ
・『合計試算表』と『合計残高試算表』を間違えないように!
 「合計」を求められているのか、貸方・借方を差し引きした「残高」なのかを
 絶対間違えないようにする
・当日配られるA4の計算用紙が活躍するのはここ!

【集計方法】
一番丁寧な解き方は
仕訳を全部書き出す ⇒ T勘定にまとめる ⇒ 解答用紙の表に集計する
だと思います。
ですが、時間がかなりもったいないので、私は直接T勘定に書き出す方法でやっていました。
仕訳を直接T勘定に書き出す ⇒ 解答用紙の表に集計する
ですね。

参考までに今回の試験で使った計算用紙の写真を↓

【計算用紙の書き方(自己流)】
・下3桁000はハイフンで省略する
・基本のT勘定は最初に書いておく
 ⇒「現金」「当座預金」「売上」「仕入」「受取手形」「支払手形」「売掛金」「買掛金」
・問題文の表に出ている金額は転記しない(時間がもったいないから)
・該当の勘定が増える時に「借方貸方どっちが増えるか」を矢印で書いておく
 ⇒「現金」が増える=借方が増える 「買掛金」が増える=貸方が増える
・必要なT勘定が出てきたら追加する(写真内の「資本金」〜「預り金」)
・問題文から仕訳を書く度に、借方貸方両方に書いたことを確認する
 ⇒借方貸方のバランスは絶対崩れないように注意する!

第4問:8〜10点:10分

「伝票」「勘定」「決算仕訳」がメインです。
ここもパターン別問題集を全部やって押さえておくのがオススメです。
「知って」さえいれば難易度は低いです。

第5問:28〜32点:40分

「精算表」です。
ここもまれに財務諸表が出るみたいですが、まれです。

精算表は試算表と違って、問題文の仕訳を直接表に書き込めるので楽です。
計算用紙はほとんど使いません。
ここで使う仕訳もほぼ定番なので1、2回やれば問題なさそうです。

【定番仕訳】
・「現金過不足」⇒「雑益」「雑損」
・「未払」「未収」「前受」「前払」の処理(保険料・家賃など)
・「貸倒引当金」の繰入処理
・「売上原価」の処理:「仕入」の行で処理することが多い
・「減価償却費」の処理
・「売買目的有価証券」の評価替え
・「引出金」⇒「資本金」と相殺

大問まとめ

配点の大きさから第3問・第5問の対策がメインになりがちですが
個人的には第2問・第4問が重要だと思っています。

試算表・精算表と言っても、正しく仕訳が出来れば集計するだけです。
なので、仕訳さえ出来れば1・3・5問は出来ます。

むしろ個別の対策が必要なのは第2問・第4問です。
補助簿の種類、勘定の記入方法、伝票の使い方など
仕訳以外の知識が必要となってきます。
「知ってる知ってない」の世界になりがちなので、繰り返しになりますが
パターン別問題集で全問解いておくのがオススメです。

5.第129回を受けてみて

そんなこんなで20日に受験してきましたが
今回は大きなサプライズもなく、例年よりも簡単な問題だったと思います。

【第1問】20点
通常の仕訳問題。
配点が高いので金額も含めて1回見直しました。
『車両運搬具』の漢字が合ってるか特に。

【第2問】10点
勘定記入の問題。
ネットアンケートなどを見ると「知ってる知ってない」で大きく分かれたようです。
パターン別問題集に出ていたので大丈夫でしたd(^ ^)

【第3問】30点
残高試算表の問題。
仕訳の数が少なかった印象。
一発で貸借の合計が合ったので嬉しかったです。

【第4問】8点
伝票会計の問題。
5伝票と3伝票の違いを理解していれば大丈夫。
というか、理解していなくても問題文に処理方法が書いてある親切設計でした。

【第5問】32点
精算表の問題。
「修正記入」の貸借は合ったのに「損益計算書」の貸借が合わなくて慌てました^^;
時間に余裕はあったので調べてみたところ
結果的には「合計ミス」「支払利息を加算する所を減算してた」の2点でした。
貸借合計が合わなかった時は、自分なりの調査順を決めておいた方がよさそうですね。
(まず再合計する⇒勘定別に1行ずつ見直すなど)

6.参考にしたサイト

最後に勉強にあたって参考にしたサイトをご紹介します。

↓優良記事満載。特に過去問分析は必見!
簿記検定ナビ|日商簿記検定の総合情報サイト

↓簿記2級と3級を同時受験でまとめて取った方のエントリー。すごくよくまとまってます。
独学で効率よく簿記三&二級に合格するための僕の方法 - ミームの死骸を待ちながら

今日はここまで。
書き残したことは後日追記するかも知れません。

【2011/11/24追記】間違いノート

早速追記。
問題をやっていてよく間違える点は別途ノートにまとめていました。
試験当日はテキストは持っていかず、このノートだけを見るようにしてました。
参考までに自分が書いていたのは↓

「販売用の」事務机は「仕入」

「事務机」という単語で即「備品」と反応してしまってましたが
販売用なら商品なので「仕入」というトラップ。

貸方借方の合計が合わない場合は差額÷2の金額の仕訳を探す

「加算する所を減算してしまった」「貸借を逆に書いてしまった」時に発見できます。

「事業主の」ときたら「引出金」か「資本金」

特に「自家消費」の場合は、「引出金」+「仕入のキャンセル」

小切手で受け取った⇒「現金」

小切手で支払った⇒「当座預金」

「減価償却累計額」は前期まで

期中に売却した場合は当期の「減価償却費」も計上する

「立替金」「預り金」

「立替金」は既に払ったお金
「預り金」はこれから払うお金

小口現金出納帳

切手・ハガキは「通信費」
封筒は「消耗品費」

商品有高帳

返品は売上原価にカウントしない。(払出欄に書くけど)
「発送費」は原価ではない。(費用)

こんな感じにメモってました!