2013年を振り返る&2014年に向けて

早くも三が日が終わってしまった今日このごろですが、
明けましておめでとうございます。

昨年は環境的にも色々変わったりしたので
たまには1年を振り返ってみたいと思います。
今回はちょっと真面目に。

2013年を振り返る

米沢嘉博記念図書館にてトークイベント「コミケカタログ千夜一夜」

4月に明治大学の米沢嘉博記念図書館さん(以下、米ト)でトークイベントをやらせて頂きました。

「コミケカタログは読んでも面白い!」をテーマに
表紙・裏表紙・背表紙の歴史やカップリング表記について、
昔のカタログにしかなかったコーナー(ブロックノートセレクション等)の話などを
1時間半ほど、語らせて頂きました。
そんなマイナーなトークイベントに人が集まるのかなと心配ではありましたが
当日は満員御礼(立ち見の方も多数)という嬉しい誤算リザルトでした。

当日お越しの皆様、関係者の皆様、ありがとうございました。

米トでトークイベントをやることになった経緯としては
その前の2012年12月に私設図書館シャッツキステさん
『コミケ&カタログ -The Beginning-』という(ほぼ同内容の)イベントをやらせて頂いた際に
米トの担当者の方が見てくれていて、
「どすか?うちでもやりませんか?」(意訳)とオファーを頂きました。

また、シャッツキステさんのイベントの際には、司書メイドのミソノさんに合いの手を
お願いしたこともあり、今回のイベントでもサポートをお願いしました。
調子に乗ると話がスーパー脱線しがちな私を
ミソノさんはそのエアリーディング力と高い安全性(脱線・失言を検知して自然に修復)で
上手いことフォローしてくださいました。

言葉と言葉の間、資料を見てるちょっとしたスキマタイムなどに
サラッと発言を入れてくださって、話しやすいことこの上なかったです。

そして当日は、観客の方からも当時の思い出話などをたくさんお聞きでき
自分としても、ものすごく勉強になったイベントでした。

イベントの詳しい内容はこちらに↓
【トークイベント】コミケカタログ千夜一夜まとめ - NAVER まとめ

カップリング表記の論文を書きました

「1980年代のコミックマーケットカタログにおけるカップリング表記の変遷(BL・やおい)」
という長いタイトルで論文を書きました。
日本マンガ学会に投稿し、大きな事故がなければ
今年の学会誌(3月頃発行予定)で読めるようになる予定です。

経緯としては、先ほどの「コミケカタログ千夜一夜」のイベントで語った
サークルカットのカップリング表記の話が好評で
やおい研究関係で「引用したい」というお話を頂きました。

そして引用するためには、
トークイベント → 残らない
Web上の記事 → 普遍性に不安(修正出来る)
という事情もあって、今回は論文という形で残すことにしました。

論文ということになると、その精度、言葉の定義などなど
改めて考え直す必要があり、1980年代のコミケカタログを再調査しました。
そして、「マンガ・アニメ史研究会」の方で2回ほど発表させて頂いて
そのフィードバックを元に精度を高めていきました。

1990年代も調べ始めました

論文を書く際に、先行研究や本などが出てないか調べてみたのですが
「カップリング表記」に焦点を当てた文書はほぼないという状況でした。
あっても、「カップリング表記の意味だけ解説」「特定の作品にのみ言及」
ものだけで、全体を定量的に把握する資料は見当たりませんでした。

ということが分かった所で、なぜか「今のうちに90年代も調べないと!」という
妙な使命感が沸いてきて、調べ始めました。

80年代を調べた時に感じたのは「細かいコトは当時の人に聞かないと分からない」でした。
90年代はまだまだWebに情報も少ないですし、人の記憶は移ろいやすいものなので
「今まとめておかないと失われる情報」だと強く感じました。
コミケカタログ自体は国会図書館にもあるので、書いてある情報自体は
いつでも取り出せるとは思いますが、時を重ねるごとにその検証は出来なくなっていきます。

というわけで、90年代に関してはフィードバックを頂けるように
調査過程をこのブログで都度都度書いています↓

【コミケカタログで90年代のカップリングを調べてみた】第一回:80年代を見てみよう!
【コミケカタログで90年代のカップリングを調べてみた】第ニ回:1990年はサムライイヤー!
【コミケカタログで90年代のカップリングを調べてみた】第三回:1991年は×の時代!
【コミケカタログで90年代のカップリングを調べてみた】第四回:1992年は拡散の時代!

シャッツキステの夜話をまとめてみました

話は全然変わって、「私設図書館シャッツキステさん」では
毎週木曜日にメイドさんやゲストの方が好きなモノを熱く語る
「メイド夜話部」というトークイベントが行われています。

自分の知らない作品・業界の知識に触れられることも多く
毎回楽しみにしているイベントです。

そこでアーカイブ派の私としては、なにも後に残らないのは
もったいないなと思って、夜話一覧の作成とツイートのまとめを行いました。

◆夜話一覧(まとめへのリンクあり)
シャッツキステさんのメイド夜話部一覧(2013年) - あまあまくろにくる

◆メイド夜話部公式ページ
メイド夜話部 : 秋葉原カルチャーカフェ「 シャッツキステ 」イベント一覧

やるからには丸一年はきっちりやろうと思い、
ツイートがほとんどなかった夜話以外は、全てまとめきりました。

まとめには『togetter』を使っていて、作業もだいぶ標準化出来たところだったんですが
最近インターフェイスが変わって、使いにくくなってしまいました。
(選択範囲内のみ並び替えの機能が・・・)

今年も続けるか、やる場合は全部か一部か、ツールをどうするかなどは
ちょっと考えているところです。

2014年に向けて

向けてっていうか、始まってますが!

今年のテーマは2つ。

「研究に軸足を置いた生活環境を構築する」
「これまでの研究成果を全て出し切る(公開情報にする)」

これまでの人生、わりと楽しい社畜ライフを送ってきていましたが
昨年仕事関係でいろいろあったのと、体調を大きく崩したのを踏まえ
今年はちょっと趣を変えて、研究に軸足を移そうと考えています。

もちろん研究だけする生活がベストなのですが
お金がないと話にならないのもまた真理。
ということで、どうバランスを取るかをトライ&エラーする一年になりそうです。

昔なにかの本で読んだ
「人類が残せるものは、子どもとアートだけだ」
という言葉を最近よく思い出します。
もちろん子どもの予定はない(相手が必要だからね!)ので
研究成果がアートかどうかはともかく、なにかを残しておきたいなと思います。

C85の調査・集計

先月からC85の調査結果をアップしていますが
調査対象を拡大して、全サークル全作品の調査を現在行っています。
これが今年最初のミッションになります。
1月末にはまとめ記事を書きたいところ。
pixivタグ集計、ニコ動タグ集計などをされてる方達とも連携できれば
かなり面白いデータになりそうです。

90年代の調査・集計

残っている1993~1999年の7年間を攻略します。
作業自体はかなり標準化できたものの、このあたりから
参加サークル数が跳ね上がるので、全力投入で調査完了が4月頃。
出来れば今のように年ごとにまとめ記事を書いていきたいので
集計・分析を合間に入れると更に1ヶ月と言ったところ。

あとはどれだけ力を入れる環境が作れるか、ですね。

80年代・90年代の基礎データ公開

今は論文にしてもブログ記事にしても、集計結果しか書いていません。
後々誰かの研究の基になったり、自分とは違う観点でも見れるように
基礎データも公開したいと考えています。
単純なところでは、今あるExcelをダウンロードしてもらうでも
いいんですが、なにか上手い方法・環境があればと思います。

それと、論文や集計記事などでは「引用」という形で
問題なかったんですが、本に書いてあることを単純に抜き出して公開した場合
権利関係に不安が残ります。
単純な羅列ではなくデータベースなら可という話も聞いたので、
その辺りをしっかり調べてから実施したいと思います。

コミケ40周年本に記事を書かせてもらう

この記事を書いてる途中で閃きました。
あんまり深くは考えてません。

来年はコミケ40周年記念で、コミケットスペシャルが3月に幕張メッセで開催されます。
おそらくそれに合わせて、40周年記念本が発行されると思うので
もし可能ならそこに直近10年(前回の30周年記念本からの差分という意味で)の
カップリングデータを載せられたら楽しいかなと思いました。

ただ、今からサークルカットベースで直近10年を調べるのは全然間に合わないので
準備会で持っている「サークル申し込みデータ」を提供して頂く形でなら
可能かなと思います。(もちろん個人情報が削除されたものを提供して頂く)

各年で、どんな作品のどんなカップリングが人気だったか
私、気になります!

とりあえず勢いだけで書いてるので、これはもう少し考えてみます。

おわりに

年初なので、実現可能性はともかくいろいろ書いてみました。
久々に真面目な文章を書いたので、すっかりばたんきゅーです。

こんなかんじでゆるゆるやっていますが
本年もよろしくお願いいたしますm(_ _)m