【コミケカタログで90年代のカップリングを調べてみた】第ニ回:1990年はサムライイヤー!

前回の記事に続いて、1990年代の同人カップリング表記について見ていきます。
今回はファーストイヤーの1990年です。

1990年のコミケ

カップリングの話に入る前に、まずは1990年のコミケについての基本情報を。

1990年には、夏(C38)と冬(C39)の2回開催されました。
前年の1989年は春夏冬の3回開催でしたが
1990年以降は現在と同じ、夏冬の2回体制で毎年開催されています。

↓当時のコミケカタログはこちら
 
[コミックマーケット38カタログ/コミケット39カタログ 各表紙より]

開催場所と参加人数

回数 季節 会場 日数 サークル 参加人数
C35 1989 東京国際見本市会場(晴海) 2 8,900 70,000
C36   東京国際見本市会場(晴海) 2 10,000 100,000
C37   幕張メッセ 2 11,000 120,000
C38 1990 幕張メッセ 2 13,000 230,000
C39   幕張メッセ 2 13,000 250,000

1990年は2回とも幕張メッセでの開催になっています。
すごいのは参加人数の伸び方。
特にC37→C38では、サークル数は少し増えただけですが
一般参加者が倍増しています。(11万人増)

しかもC38は同じ会場で『恐竜博』と『現代美術展』が開催されているという
カオスな状況だったようです。


[コミックマーケット38カタログ P.1より抜粋]

夏コミでこの人出だと、相当暑かったんじゃないかと思いましたが
マンレポを見る限り、空調の効きがよくて、会場内は快適だったようです。

目次

1−1:カップリング表記数の推移
1−2:記法別ランキング
1−3:作品別ランキング
1−4:どの作品でどの表記?(クロス集計)
1−5:カップリングランキング
1−6:攻め受けマトリックス

1−7:【余談】カップリング表記以外で気になったこと
1−8:1990年まとめ

前回と同じ雰囲気でまとめたいと思います。
分量が多いので、気になるところだけ見て頂ければ。

1−1:カップリング表記数の推移

1990年と、比較のために過去5年分をグラフにしました。

1990年代に入ったC38で急増!
C39ではその反動か少し減っていますが、それでも高い水準を保っています。

補足:カップリング表記サークル数の推移

この時期はサークル数全体も増えているので、
全サークルのうち、カップリング表記を書くサークルは何%なのかを
グラフにしてみました。(青い折れ線グラフ)


※表記サークル率=表記サークル数/全サークル数[%]

こちらも急増!
「10サークルに1サークルはカップリング表記を書く」状況になってきています。
全サークルにはカップリング表記が極端に少ない「オリジナル」や「男性向け創作」の
ジャンルも含んでいることを考えると、かなり普及してきていますね。

1−2:記法別ランキング

まずは参考に1980年代のランキングを。

順位 記法 表記数 構成比
1 813 23%
2 669 19%
3 498 14%
4 連結 371 11%
5 360 10%
6 296 9%
7 × 198 6%
8 固有 79 2%
9 49 1%
10 35 1%

ハートがトップです。
これが1990年に入ると↓

順位 C38
1990夏
表記数 構成比 C39
1990冬
表記数 構成比
1 492 28% 482 28%
2 × 340 19% × 349 21%
3 連結 278 16% 連結 281 17%
4 246 14% 226 13%
5 121 7% 108 6%
6 91 5% 固有 79 5%
7 73 4% 67 4%
8 固有 60 3% 63 4%
9 9 1% 8 0%
10 9 1% and 6 0%

そのままハートがトップを独走!
強いですねー。
やはり見た目にカップリングと分かりやすいのがポイントでしょうか。

注目は、「×」の大躍進です。
1980年代の7位から2位にジャンプアップ。
改めて考えると、知らないと直感的には分かりにくい表記だと思いますが
これだけ使われてる(20%)ということはかなり認知されてきてるのではないでしょうか。

1990年の初出表記

いま使われているカップリング表記(×とか受とか)は概ね1980年代に
登場していますが、1990年になって初登場した表記がありました。


[コミックマーケット38カタログ P.147より抜粋]

「→」(矢印)表記です。

写真だと見にくいですが、聖闘士星矢の「シャカ→ムウ」ですね。(ハートも混ざってる?)
続くC39でも


[コミケット39カタログ P.400より抜粋]

サムライトルーパーの「遼→伸」「秀→伸」が書かれています。
矢印表記も20年以上の歴史があるんですね。

1−3:作品別ランキング

続いて作品別のランキングです。
まずは1980年代の振り返りを。

順位 1980年代合計 表記数 構成比
1 キャプテン翼 1,632 47%
2 聖闘士星矢 651 19%
3 サムライトルーパー 435 13%
4 太陽にほえろ! 73 2%
5 銀河英雄伝説 62 2%
6 光GENJI 50 1%
7 必殺シリーズ 49 1%
8 天空戦記シュラト 35 1%
9 プロ野球 31 1%
10 六神合体ゴッドマーズ 29 1%

初代御三家強し!ですね。
その中でも『キャプテン翼』がズバ抜けています。
1980年代のカップリング界は「キャプテン翼の時代」と言ってもいいでしょう。

それが、1990年に入ると↓

順位 C38 [1990年夏] 表記数 構成比 C39 [1990年冬] 表記数 構成比
1 サムライトルーパー 772 44% サムライトルーパー 773 45%
2 キャプテン翼 400 23% キャプテン翼 340 20%
3 聖闘士星矢 261 15% 聖闘士星矢 194 11%
4 天空戦記シュラト 87 5% 光GENJI 119 7%
5 光GENJI 86 5% 天空戦記シュラト 97 6%
6 銀河英雄伝説 31 2% 銀河英雄伝説 44 3%
7 ミスター味っ子 14 1% ミスター味っ子 17 1%
8 プロ野球 9 1% プロ野球 8 0%
9 風魔の小次郎 7 0% 魔界水滸伝 8 0%
10 魔界水滸伝 6 0% 魔動王グランゾート 8 0%

『サムライトルーパー』が初の首位に!
キャプテン翼の牙城を崩してきました。
トルーパーのTV放送は1989年の3月に終了していますが
そのあと継続的にOVAが発売されていた時代です。

↓例えばこれ

サムライトルーパー 輝煌帝伝説 [VHS]
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キャプテン翼や聖闘士星矢も、往時の勢いはないものの
御三家の威光はまだまだ健在です。

続く第二グループには、トルーパーと同じく鎧モノの『天空戦記シュラト』
そして、光GENJIが続きます。
8位とか9位になると、もう1%にも満たないところが
この時代のカップリング表記が、特定のジャンルに偏っていることを示していますね。

実際に配置図を見てみても


[コミックマーケット38カタログ P.185より抜粋]

1日目の第4展示ホールはトルーパー祭り!
圧巻ですね。

そしてこのすぐ隣の第5展示ホールで「現代美術展」が
開催されているというのも面白いです。
当時はどんな様子だったんでしょうか。

1−4:どの作品でどの表記?(クロス集計)

作品ごとに流行ってる表記が違うんじゃない?という疑問に答える
マニアックなコーナーです。
上位5作品に絞って見ていきます。

C38 [1990年夏] × 連結 固有
サムライトルーパー 238 233 127 92 27 17   23 2 4
キャプテン翼 79 15 117 87 21 50 8 8 4 1
聖闘士星矢 112 51 8 38 26 10 1 9 2  
天空戦記シュラト 29 28 8 6 5 7 1 3    
光GENJI 22 4 11 9 6   29 3    
C39 [1990年冬] × 連結 固有
サムライトルーパー 237 226 131 98 29 23   18   2
キャプテン翼 68 15 108 75 19 30 6 6 4  
聖闘士星矢 75 46 4 25 23 6   9 2 2
天空戦記シュラト 37 30 11 6 3 5   5    
光GENJI 26 4 18 12 3   50 1 2  

C38とC39を分けて表にしましたが、傾向はほぼ同じです。
今回は表記軸を中心に見ていきます。

【表記軸】ハートはみんなに愛され系

表記軸(表の縦ライン)で見ていくと、1990年ナンバーワン表記のハートマークは
どの作品でも多く使われています。
逆にどの作品でも使われてるからトップになっているんでしょうね。

トルーパーだと「伸❤遼」キャプテン翼は「健❤小次」
聖闘士星矢では「ミロ❤カミュ」が人気です。
この時代のサークルカットはハートが乱れ飛んでます。

【表記軸】鎧大好き「×」表記

ハートに続く2位に踊り出た「×」表記。
作品ごとの使用傾向に大きな違いがあります。

×好き:サムライトルーパー 聖闘士星矢 天空戦記シュラト
×苦手:キャプテン翼 光GENJI

特にキャプテン翼は極端に使用率が低いです。

これを見る限り、「×」表記の普及に貢献していたのは
トルーパー・星矢・シュラトなどの「鎧モノ作品」だったと言えるでしょう。

ここまで使用傾向に大きな差があるのは謎ですが、
キャプテン翼の場合、「×」表記が登場する(1987年)前から
「健小次」(連結)や「小次・健」(中点)などの別の表記が定着していたので、
あえて「×」に変更する必要がなかったのかなと予想しています。

【表記軸】連結はカタカナ名前には使われない?

連結表記も作品ごとに使用傾向が大きく異なります。

連結好き:キャプテン翼 サムライトルーパー
連結苦手:聖闘士星矢 天空戦記シュラト

ここで面白いのは、「この時代の連結表記にはカタカナ名前が少ない」
ということです。

連結の多いキャプテン翼やトルーパーは、メインキャラの名前が漢字ですし
漢字・カタカナの混ざっている聖闘士星矢での連結表記は
漢字名のキャラクターがほとんどです↓

連結表記 表記数
紫龍星矢 2
氷河星矢 1
氷河紫龍 1
カミュミロ 1
いっきひょうが 1
しりうせいや 1
氷河瞬 1
一輝エスメ 1
氷龍 1
一輝氷河 1
一氷 1

基本カタカナ名前の天空戦記シュラトに連結があるのも
「天王ヒュウガ」と「龍王リョウマ」の漢字部分を取った
「天龍」の表記があるからです。

連結表記 表記数
天龍 13
龍虎 3
天龍+マリーチ 2
天竜 1

今では「カカナル」(カカシ×ナルト)や「リヴァエレ」(リヴァイ×エレン)など
カタカナでの連結表記はメジャーです。

80年代には「スコヘル」(スコルピオン×ヘルガの連結表記)などもありましたが
カタカナ連結の数は多くありませんでした。
「1980年代〜1990年はカタカナ名の連結が少ない」のは
この時代の特色かもしれません。

【表記軸】キャプテン翼は受けまくり

「×」表記を使わないことで有名なキャプテン翼ですが、
一方で多く使っているのが「受」表記です。

受表記 表記数
小次受 33
健受 32
健受け 3
KEN UKE 2
小次受♡ 1
小次<受> 1
健受♡ 1
健UKE 1
けんうけ 1
小受 1
小次受け 1
源受 1
若島津<受> 1
源三受 1

いろいろ書き方はありますが、3キャラしかいませんね!

一方で光GENJIは、頑ななまでに受を使っていませんが
なにか理由があるのでしょうか。

【表記軸】公式発祥vs同人発祥:固有表記

その光GENJIで最も多く使われているのが「固有」表記です。

固有表記 表記数
A2 37
36
K2 2
兄弟 1
佐藤兄弟 1
S2 1

「A2(2は二乗)」と「光」がダントツですね。
ただ、この二つには大きな違いがありました。

光:公式発祥の言葉
A2:ファン発祥の言葉(と聞いてます)

この時代の固有表記には、キャプテン翼の「GC(ゴールデンコンビ)」や
銀河英雄伝説の「双璧」など公式発祥の表記が多い中で
ファンの中から出てきた表記がこれだけ広がっているというのはスゴイです。
今みたいにネットが普及してない時代ですからね。

現在は本当に多くの固有表記が使われています。
2013年夏コミで一番使われていたのは「瀬戸内」(戦国BASARA)でした。
他にも「バディ」(TIGER&BUNNY)や「サブマス」(ポケモン)「D兄弟」(ワンピース)など
200種類以上の固有表記が使われていました。

【表記軸】使われ始めたスラッシュ

ランキングの最後にひょっこり顔を出しているのが「/」(スラッシュ)です。
80年代では突発的に1カットだけ書いてありましたが、
それ以外にはありませんでした。
複数サークルで書いているのは今回が初めてです。

よく英語圏ではカップリング表記にスラッシュを使っていると聞きますが
そこが起源なのか、自然発生したのかは分かりません。

ウィキペディア先生の解説はこちら↓
スラッシュ (フィクション) - Wikipedia

2013年夏コミでは、海外ドラマや洋画のカップリングでよく使われていました。
特にイギリスBBCの『SHERLOCK』で「S/J」(シャーロックとジョン)が多いですね。
その流れか、日本の漫画作品(例えば黒バス)などでも一部で使用されています。

1−5:カップリングランキング

当時人気だったカップリングは誰と誰か!
完全に誰得情報だと思いますが、集計してみました。

1980年代

まずは振り返りで1980年代の集計をプレイバック↓

順位 表記 表記数 作品
1 小次受 118 キャプテン翼
2 健受 98 キャプテン翼
3 健・小次 96 キャプテン翼
4 健小次 78 キャプテン翼
5 小次・健 69 キャプテン翼
6 源岬 59 キャプテン翼
7 健♡小次 50 キャプテン翼
8 松・小次 44 キャプテン翼
9 小次健 37 キャプテン翼
10 健攻 32 キャプテン翼

全作品総合ランキングなのに・・・。
さすが80年代の同人王です。

1990年夏

これが1990年に入るとこうなります↓

順位 C38 [1990年夏] 表記 表記数 作品
1 征当 連結 55 サムライトルーパー
2 征×当 × 41 サムライトルーパー
3 健小次 連結 40 キャプテン翼
4 伸×遼 × 38 サムライトルーパー
5 当×征 × 35 サムライトルーパー
6 健・小次 28 キャプテン翼
7 伸遼 連結 27 サムライトルーパー
  伸❤遼 27 サムライトルーパー
9 小次健 連結 24 キャプテン翼
10 征❤当 23 サムライトルーパー

サムライトルーパーが一気にランクイン!
トップも含めて7割の議席を確保しています。
すごい勢いですね。

前回のC37(1989年冬)のトップも「健小次」でしたので
ここで初めて個別カップリングでもトルーパーが首位に立ったことになります。

やはり人気は「征当」(征士×当麻)。
「征当派」と書かれてるカットも多かったです。

この時期には1つのサークルカットに複数のカップリングを書く人が多くなってきていて
「征当」と「伸遼」の両方を書いてるサークルをよく見かけました。
(あれ、トルーパーは5人組・・・)

1990年冬

↓続けて1990年の冬です

順位 C39 [1990年冬] 表記 表記数 作品
1 当×征 × 48 サムライトルーパー
2 征当 連結 44 サムライトルーパー
3 征×当 × 42 サムライトルーパー
  健小次 連結 42 キャプテン翼
5 伸×遼 × 32 サムライトルーパー
6 伸❤遼 28 サムライトルーパー
7 征❤当 26 サムライトルーパー
8 健・小次 25 キャプテン翼
9 固有 24 光GENJI
10 伸♡遼 23 サムライトルーパー
  伸遼 連結 23 サムライトルーパー

光GENJIが颯爽登場!

そしてよく見ると、トップが「征当」から「当×征」に変わっています。
逆カプですね。
2位3位は「征当」「征×当」なので、征士×当麻が総合的には多いんだと思いますが
当麻×征士派は「当×征」という表記に一点集中して攻めてきてます。
統制が取れてますね!

1−6:攻め受けマトリックス

このコーナーでは、表記方法はガッツリ無視して
作品別に誰攻め誰受けが多いかを表にしてみました。

固有表記のものは、どっちが受か分かりにくいので対象外にしています。
また、攻と受を足して10表記未満のマイナーキャラも表示していません。

【2013/12/21追記】松小次のカップリングについてコメントを頂きました

「松小次」「松・小次」は現在の(そして当時の)カップリング表記である
攻先受後とは実質異なっていて、該当表記のサークルさんの大半が日向攻松山受でありました。
その後、世間のカップリング表記の傾向に合わせて
「小次光」表記が増えてきたのを記憶している日向×松山派の一員より。

「攻先受後」の共通認識が浸透していなかった時期があったようです。
私の方でも、80年代の星矢ジャンルで同様の現象を確認しています。(表記と実際の本が逆カプ)
この現象は他の作品、他のカップリングでもあり得ることですが
今回のマトリックスでは「攻先受後」の基準で集計していますのでご了承くださいm(_ _)m

サムライトルーパー

1990年ナンバーワンカップリング作品のトルーパーです。
まずは一覧表を↓(受の多い順に並んでいます)

↓攻受⇒ 当麻 征士 ナスティ 朱天 悪奴弥守 螺呪羅 【攻合計】
真田遼   31 7 24     2     64
羽柴当麻 137   196 157 44         534
伊達征士 87 346 2 20 6 11       472
毛利伸 265 29 50 1 5         350
秀麗黄 2 8 1 6         1 18
ナスティ                   0
朱天童子 2         1       3
悪奴弥守   2 25     2       29
螺呪羅   4     2   7 1   14
【受合計】 493 420 281 208 57 14 9 1 1 1,484

縦軸が攻、横軸が受になっています。
例えば、征士攻の当麻受は346表記です。

表だけだと分かりにくいので、主役の5人に絞ってグラフに↓

遼は完全に受キャラですね。
受けの数もトップですが、他のキャラを全然攻めてないことが分かります。
(グラフに赤色が少ない)
一方で紫色の当麻は、受けも多いものの
他のキャラを満遍なく攻めています。
受け攻め両刀のバランスのとれた人気キャラですね。

キャプテン翼

90年ではトルーパーの後塵を拝したものの
80年代の覇者はまだまだ健在。

↓攻受⇒ 日向 若島津 井沢 松山 シュナイダー 若林 【攻合計】
日向 小次郎   147 1 1 13       162
若島津 建 249     1         250
岬 太郎             2 1 3
井沢 守     2   1       3
松山 光 46   1           47
シュナイダー 1 1         1 7 10
大空 翼 2 1 1 1         5
若林 源三 33 38 38 15   11 2   137
【受合計】 331 187 43 18 14 11 5 8 617

偏ってます!
いろんな組み合わせがあったトルーパーと違って、
特定のカップリングにガッツリ集中してますね。

特に若島津くんの一途さが際立ちます。
250回も攻めておいて、浮気したのは井沢くんに1回だけです。
「健小次」の結束力、強いですね。
相方の小次郎くんは、同じ一途組の松山くんに押されて若干浮気しています。

圧倒的な攻めキャラなのが、若林くん。
総攻めと言わんばかりの気持ちのよい攻めっぷりです。
なぜか松山くんだけはニガテなようですが。

聖闘士星矢

初代御三家のオオトリ、聖闘士星矢です。

↓攻受⇒ カミュ 氷河 星矢 紫龍 ミロ シャカ デス ムウ サガ ロス 一輝 シュラ 攻計
カミュ     5     15     1         21
    8 1               1   10
氷河 1 42   2 6             1   52
星矢   3 2   6         1       12
紫龍   2 2 35         1         40
ミロ 89   1                     90
シャカ                 2     3   5
デス           1     1   1   1 4
ムウ         3   8             11
サガ 3     2   1 4 5     4     19
ロス 1             1 3 6     5 16
一輝 3 46 65 6 2                 122
シュラ         3     2     1 1   7
受計 97 93 83 46 20 17 12 8 8 7 6 6 6 409

※デス:デスマスク
※ロス:アイオロス

キャラが多いです!
カップリングランキングに聖闘士星矢が全然出てこないと思ったら
カップリングがいろんなキャラに分散してるからなんですね。

その中でも強いのが「ミロ×カミュ」。
次いで「一輝×氷河」「一輝×瞬」「氷河×瞬」「紫龍×星矢」と続きます。

全体をザックリ見ると、青銅聖闘士は青銅同士、
黄金聖闘士は黄金同士のカップリングで棲み分けが出来てるみたいですね。
ランク外には白銀聖闘士や海闘士・神闘士もいましたが、少数派でした。
(鋼鉄聖闘士は・・・)

1−7:【余談】カップリング表記以外で気になったこと

カップリング表記以外で気になったことをツラツラ書いていきます。

【初出】リバーシブル

今ではメジャーな単語になった「リバーシブル」。
攻めキャラと受けキャラが入れ替わったカップリングもOKですよの意味ですが
サークルカットとしては、1990年に初めて登場しています。


[コミックマーケット38カタログ P.173より抜粋]

>> 小次・健中心。健・小次もあるリバーシブル・サークル <<

と書かれています。丁寧に説明してくれていますね。

【初出】砂を吐く

「ラブラブで激甘」なことを「砂を吐く」とか
言ったりしますが、これも1990年のサークルカットに登場しています。


[コミケット39カタログ P.341より抜粋]

>> 砂を吐くよなメロウ本 <<

おそらく『機甲猟兵メロウリンク』のことだと思うんですが
→【2013/12/20追記】コメント欄にアドバイスを頂きました↓(ありがとうございます!)

この当時、特に事件も起こらない甘い雰囲気の話や恋愛を中心にした詩的な話を差して
「メロウな話」というような言い方が流行していました。
果実が熟している事をさすmellowだと思います。
(多分7〜80年代音楽のスロー&メローがゆったりした大人っぽい甘い曲調なので、
それから来てるのではないでしょうか)

イラストは『風魔の小次郎』ですね。
今と同じ意味で「砂を吐く」を使っているのかは分かりませんが
こういう記述もこの時代にあったということで。

邦楽ジャンルがすごく・・・黒いです・・・

邦楽ジャンルでは『BUCK-TICK』『X』『聖飢魔II』などが人気になり
ぱっと見、サークルカットの黒さが増しています。
また、『少年隊』や『光GENJI』『男闘呼組』などジャニーズ系は
アイドルジャンルに分類されています。

「半年先になにをやっているか分からない」のは今と同じ

この時期のサークルカットから「半年先になにをやっているか分からない」という
書き込みが増えてるように感じます。
人気ジャンルの移り変わりが激しくなって
作品の消費が早くなってきたのがこの時期なのでしょうか。
それでも1クール3ヶ月で消費する今と比べれば緩やかだと思いますが。

声優にも注目が

遂に来ました「声優ユニット」!


[コミックマーケット38カタログ P.192より抜粋]

「NG5(N.G.FIVE)」は、サムライトルーパーの大ヒットを背景に
主人公5人の声優で構成された声優ユニットです。
メンバーは、「草尾毅」「佐々木望」「竹村拓」「中村大樹」「西村智博」と豪華メンバー。
当時のことは分かりませんが、CDを出したり、ライブ活動もしていたそうです。
1989年結成って、相当先駆けてますねー。

CDがAmazonさんにありました↓

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1−8:1990年まとめ

長々と書いてしまいましたが、1990年のカップリング事情を
ザックリまとめてみます。

・カップリング表記数が急増!
・依然としてハートマークが人気だけど、「×」表記が大躍進!
・時代は『キャプテン翼』から『サムライトルーパー』へ
・「→」表記も出てきたよ

ということで、1990年は時代の節目に相応しい激動の年でした。
次回は続いて1991年を見ていきます。
ではまた!

次の記事

tarte41.hatenablog.com